堂本剛が主演し、監督・脚本を荻上直子が務める映画『まる』が、10月に公開されることが決定し、特報映像、ティザービジュアル2種が解禁された。2年間の熱烈オファーを受け、本作で27年ぶりに映画主演を果たした堂本が、不思議な事態に巻き込まれていく主人公役で新境地を魅せる。
2024年にデビュー26周年を迎えたKinKi Kidsとして国民的スターの顔を持つ一方、ソロとしても独自の道を切り開いてきた堂本剛。95年に日本テレビ系列でスタートした『金田一少年の事件簿シリーズ』をはじめ、『ぼくらの勇気 未満都市』（日本テレビ）、『Summer Snow』（TBS）などのドラマ作品を中心に10代の頃から数々の人気作品に出演。近年では音楽活動が中心となっていた堂本が、1997年に公開された『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』以来、27年ぶりに待望の映画主演を果たす。監督と企画プロデューサーから約2年間の熱烈オファーを受け、「自分が必要とされている役なら」と心を動かされ出演に至った。
堂本が演じるのは、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。独立する気配もなければ、そんな気力さえも失って、言われたことを淡々とこなすことに慣れてしまっていた。そんなある日、通勤途中に事故に遭い、腕の怪我が原因で職を失う。部屋に帰ると床には蟻が1匹。その蟻に導かれるように描いた◯（まる）を発端に、日常が◯に浸食され始める奇想天外な物語が展開していく。これまで自らストーリーを進めていく役柄の多かった堂本が、不思議な事態に巻き込まれていくキャラクターで新境地を魅せる。
監督を務めるのは、数々のオリジナル脚本で話題作を生み出し、『彼らが本気で編むときは、』で第67回ベルリン国際映画祭・観客賞&審査員特別賞を受賞、『波紋』で第33回日本映画批評家大賞・監督賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得る荻上直子。円熟の域に達した荻上監督が、作家としての神髄が凝縮されたともいえるテーマで堂本と初タッグを組む。
堂本は「人は自分を誰かと比べ、審査し、点数のようなものを付ける。孤独だということをそれこそ理解できずにそうしてしまう人も多いのだろう。孤独を感じていなければ人はそうならないだろう。頼んでもいないのに人は人の生き方や道にそうする事で我が身や我が心が安心するのだろう。ならばそれに付き合うこともまた人生か？と、沢田なりに人々の孤独に漂ってみている。きっと正しくないしもはや楽しくもない事はわかっているが、いらぬ優しさがそうさせてしまうのかも知れない。そんな沢田を演じるうえでいろいろを整えることをやめて崩すイメージで演じさせていただきました」と役作りを述懐。
そして「まるという言葉や文字を皆様はどう捉えてこの作品を楽しんでいただけるか興味深いところです。劇中でもたくさんまるを描きました。細部に渡る隅々まで。たくさんたくさん描きました。世の中が平和を諦めずに平和を作ることへ時間や命を繋げてほしいと想いを込めて『。』」とメッセージを寄せている。
荻上監督は「撮影中の1ヵ月間、純度の高い無色透明な塊、みたいなもののそばにいるような気持ちでした。もし彼のタマシイが見えたら、きっとそんな感じなのだろうと思う。混じり気のないどこまでもどこまでも透明な珠（たま）。」と語っている。
この度、特報映像、2種類のティザービジュアル（メイン／キャラクターVer.）も解禁。
特報映像は、日常が◯に浸食されはじめ、いつしか◯に囚われていく沢田の様子が映しだされたもの。最後には襲い掛かる奇妙な出来事に対して、「すごっ」とどこか他人事のようにつぶやく沢田の姿が。いつの間にか観ているこちらの心までぐるぐる回り出すような、不思議な世界観を纏（まと）った特報となっている。
ティザービジュアル（メイン）は、沢田が住む街を背景に撮り下ろした写真を使用したもの。巨大な◯に飲み込まれそうな堂本演じる沢田の上に、「ある日突然、◯が迫ってきた」という言葉が微妙に歪んだ形で添えられている。キャラクターVer.は、虚無感漂う表情の沢田のすぐ後ろに、◯が迫ってきているデザイン。
このデザインを担当したのは、A24作品の日本版ビジュアル（『ミッドサマー』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』）や、荻上直子監督の初期の名作『バーバー吉野』、『めがね』、『トイレット』などを手掛けてきたデザイナー・大島依提亜。グラフィカルで普遍的な◯の形を日常的な実写風景、人物と組み合せる事で不思議な作品世界を表現した。
年始から始まった本編撮影は終了し、現在は仕上げ作業中だ。
映画『まる』は、10月公開。
堂本剛のコメント全文は以下の通り。
＜コメント全文＞
■堂本剛（沢田役）
主演でお芝居させていただくのは久しぶりです。
寝不足で誰のために何のために働いているのかも考えられない毎日を過ごしている主人公の沢田。だから顔色も良くはない、目の下にはクマ、顔の筋肉も動いていない。自分本来の心で人生を柔らかく生きて描きたいままに画を描くこと。これが叶えば良いだけなのに、人は自分を誰かと比べ、審査し、点数のようなものを付ける。孤独だということをそれこそ理解できずにそうしてしまう人も多いのだろう。孤独を感じていなければ人はそうならないだろう。頼んでもいないのに人は人の生き方や道にそうする事で我が身や我が心が安心するのだろう。
ならばそれに付き合うこともまた人生か？と、沢田なりに人々の孤独に漂ってみている。きっと正しくないしもはや楽しくもない事はわかっているが、いらぬ優しさがそうさせてしまうのかも知れない。そんな沢田を演じるうえでいろいろを整えることをやめて崩すイメージで演じさせていただきました。
共演者の皆様がとても優しく接して下さいました。荻上監督をはじめスタッフの皆様も大変優しく接して下さいました。そのことがいちばん嬉しくて幸せでした。「人は人に優しく生きることができる」を叶え合い大切な一日を繰り返し完成した作品『まる』。
まるという言葉や文字を皆様はどう捉えてこの作品を楽しんでいただけるか興味深いところです。劇中でもたくさんまるを描きました。細部に渡る隅々まで。たくさんたくさん描きました。世の中が平和を諦めずに平和を作ることへ時間や命を繋げてほしいと想いを込めて「。」
