カメムシ大量発生! 嫌~な匂い成分は「パクチーと同じとも」 平年の286倍を観測した地点の様子は…

強烈なニオイが特徴のカメムシが、今、大量発生しています。熊本県内では平年のおよそ280倍という地域もあり県は注意を呼びかけています。

収穫間際のトウモロコシが…

トウモロコシの生産量県内1位の菊陽町(きくようまち)。これから収穫の最盛期を迎えますが、農家が警戒しているのがカメムシです。

トウモロコシ農家 矢野圭介さん
「4年前、収穫間際になって1万本くらい収穫がダメになりました
「各農家さんはかなり危機感を持ってると思います」

皮の上から実を吸うというカメムシは例年6月ごろから出始めるそうですが、今年(2024年)は早めに対策をしました。

トウモロコシ農家 鈴木和輝さん
「今年はもう4月の段階でいたので、早めにやっとかないと増えちゃうので」

農薬を散布するなど対策をとり今のところ被害はありませんが油断はできないといいます。

矢野さん
「防除を徹底しないとこの畑が全滅します」
「しっかり防除してみなさんにとどけたいなと思います」

過去最高値を大幅に塗り替える

県は今年、カメムシに関する異例の注意報を出しました。

どのくらい多いのか?害虫の発生状況を調べている県農業研究センターに聞いてみると…

県農業研究センター 江口武志主幹
「過去最高値を大幅に塗り替えるような数で、経験したことのないような数になっている」

県農業研究センターによりますと、観測している合志市(こうしし)、宇城市(うきし)、天草市(あまくさし)の4月のカメムシの確認数はいずれも増加していて、宇城市の地点では平年の286倍およそ1万7500匹確認されています。

その宇城市の観測所を訪ねました。

「7、8割くらいカメムシ」

カメムシが光に集まる特性を利用した調査機器で1日のカメムシの発生状況を調べます。

県農業研究センター 後藤聖士郎研究員
「これが予察灯という機械になります」

なかには…大量のカメムシが。

後生川アナウンサー
「1日にこれだけの量が入っていたということですか」
後藤研究員
「そうですね、1日でこれだけ」

今週に入りやや落ち着いたということですが、2週間前はというと…

後藤研究員
「1万数千匹入っていました、この箱でいうと7、8割くらいカメムシが埋まっている」
――それを見たときは?
「えっ、1日で?という感じ」

なぜ増加したのか

例年カメムシは多くが冬の寒さで死にますが、今年は暖冬の影響で生き残り、その生き残ったカメムシたちが4月の気温の上昇で例年よりも早く活動を始めたとみられています。

案外嫌な匂いではないかも?

農作物への影響も心配ですがにおいが嫌だという人も多いと思います。

生物に詳しい熊本博物館の学芸員清水稔(しみずみのる)さんから提言をいただきました。

それは「一度改めて匂ってみては」

においの成分はパクチーと同じ成分が含まれていると言われていて、海外では香水の原料として使われる場合も。「改めて嗅いでみると案外好きなニオイに感じるかもしれません」と話していました。

© 株式会社熊本放送