【韓国ドラマ】『支配種』は夢の共演チュ・ジフン&ハン・ヒョジュ以外も贅沢な布陣!イ・ヒジュンが政治家役を熱演

『支配種』ディズニープラス スターにて全話独占配信中 (C) 2024 Disney and its related entities

5月8日にディズニープラスで全話の配信を完了した『支配種』は、近未来を舞台にした人工培養肉を巡るサスペンスドラマである。

チュ・ジフン&ハン・ヒョジュの夢の競演に加えて、脚本が「秘密の森~深い闇の向こうに~」の脚本家イ・スヨンということでも話題を集めた。(以下、一部ネタバレを含みます)

■チュ・ジフン&ハン・ヒョジュ『支配種』見どころは?目が離せないストーリー、脇役イ・ヒジュンにも注目!

世界中で研究が激化しているという人工培養肉。一方で、ドラマの中でも描かれていくが、第一産業の崩壊を招いたり、本当に環境に優しいのかという疑念があったりと、さまざまな問題が指摘されている。

最近話題になった『寄生獣 -ザ・グレイ-』や『三体』などにも通じる、人類の歴史を変え得る興味深いテーマを提示する本作。世界を牛耳ろうとする巨大テクノロジー企業の恐ろしい企てと見ることもできるが、新しい世界を受け入れられない人類の悲劇とも見ることができて、物語が進むほど目が離せなくなる。

“肉”が人工的に作れるということは、ほかに何が作れるのか。本作は、人工培養肉の先に踏み込んでいるところが目を引く。「人類は不完全な支配種」と劇中でBF社のCEOユン・ジャユは言い放つが、最後まで見ると、“支配種”という言葉にもダブルミーイングがあるような気もして、さすがイ・スヨン作家と感じた。

本作は俳優陣もとにかく贅沢だ。古くからの韓ドラファンなら、チュ・ジフンとハン・ヒョジュの初共演というところにまずは興奮したはず。

かつてチュ・ジフンは、『春のワルツ』のオーディションに受かり、この作品で俳優デビューする予定だった。だが、紆余曲折の末、『宮~Love in Palace』のシン君役でデビューすることとなり、『春のワルツ』はメインキャスト候補が一新され、ヒロインには新人女優のハン・ヒョジュに白羽の矢が立った。

つまり『支配種』は、2人のおよそ20年越しの共演であるわけで、そう考えるとさらに興奮する。

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ハン・ヒョジュは、ドラマ『ムービング』や映画『毒戦 BELIEVER 2』に続き、BF社の頭脳明晰なCEOユン・ジャユというチャレンジングな役を熱演。最近、映画での活躍が目立つチュ・ジフンは、落ち着いた演技でジャユの謎めいたボディガード、ウ・チェウンを好演している。そういうドラマではないが、何か始まりそうな2人の雰囲気がソワソワさせる。

『マエストラ』のイ・ムセン、『最愛の敵〜王たる宿命〜』のパク・チヨン、『ムービング』のチョン・ソクホなどなど、脇を固める俳優陣も脇役好きにはたまらないラインナップの本作だが、なかでも迫真の演技を見せているのが、総理のソン・ウジェ役を務めるイ・ヒジュンである。

演劇の舞台から演技活動を始め、今も事あるごとに舞台に立っているイ・ヒジュン。『棚ぼたのあなた』でお茶の間でも人気となり、昨今は実力派俳優としてドラマ、映画で破竹の勢いを見せている。最近では『殺人者のパラドックス』で40代にして60代の殺人鬼役を演じていた。25kgも体重を増やして挑んだ映画『KCIA 南山の部長たち』の警護室長役も印象深い。

そんなイ・ヒジュンが本作で演じるウジェは、狡猾な政治家だ。祖父は元大統領で、父は大企業グループの会長である。普段は誠実を装うが、実は利己的で野心が強く、人工培養肉の利権に絡もうといろいろ仕組みBF社を追い詰めていく。いわば物語を盛り上げるためになくてはならない、ちょっと見では悪役には見えない悪役だ。

韓国ドラマを観ていて、こんな政治家が実際にいたら怖いなと思うことがあるが、今回のイ・ヒジュン演じるウジェもまさにそうである。あまりに演説の説得性、人を巻き込む迫力があり、自分なら少々理不尽なことでも納得させられてしまうかも……と震えて観ていた。

イ・ヒジュンは、最近のインタビューでパニック障害を患っていることを告白している。趣味もなく、ただただ演技のことばかり考えていたら発症したのだという。『殺人者のパラドックス』の撮影中にも発症したと話している。『支配種』のときはどうだったか明かされていないが、そんなふうに役にのめり込む彼だからこそ、この臨場感が出るのかもしれない。

ハン・ヒョジュのインタビューによると、本作は1テイクを5分以上のロングテイクで撮影することも多く、イ・ヒジュンはテイクごとに違う演技をしていたとか。「今度はどんな演技をするのだろうと楽しみだった」という。

後半に行くほど存在感を増していくイ・ヒジュン。最終回も見逃せない。今後もNetflixドラマ『悪縁』、映画『ボゴタ』などの出演作が公開を待ち構えているが、まずはこの『支配種』で、ワンシーンごとにどんな悪役演技を披露し、どうドラマを盛り上げていくのか、じっくり楽しんでほしい。

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●配信情報

『支配種』

ディズニープラス スターにて全話独占配信中

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[2024年/全10話]監督:パク・チョルファン『グリッド』(共同演出) 脚本:イ・スヨン『秘密の森〜深い闇の向こうに〜』『秘密の森』シーズン2、『ライフ』『グリッド』

出演:チュ・ジフン 『キングダム」『宮~Love in Palace』、ハン・ヒョジュ『ムービング』『トンイ』、イ・ヒジュン『殺人者のパラドックス』『マウス~ある殺人者の系譜~』、イ・ムセン『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐』『マエストラ』

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