戦線復帰のジョコビッチ、宿敵ナダルの巨大さを語る「破ることのできない壁のように感じることがある」<SMASH>

世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、ATP1000大会「イタリア国際」(5月7日~19日/イタリア・ローマ/クレー)で約1カ月ぶりに戦列に復帰する。試合を前に行われた記者会見で、自身の現状を明かすとともに全仏オープンにおけるラファエル・ナダル(スペイン)の強大さについても語った。

言わずとしれたクレーキング・ナダルは、全仏で14回の優勝を記録し、3回優勝のジョコビッチを大きくリード。同大会での直接対決でも10回中8回勝利している。そんなローランギャロス(全仏の会場)の象徴も近年はケガに苦しみ、出場するのは今年が最後となる可能性が高い。2人のライバル関係が最終盤に差し掛かったいま、ジョコビッチは全仏でのナダルを、“破ることのできない壁”と表現した。

「ローランギャロスでラファ(ナダル)と対戦するのは、おそらくツアーで最も大きな挑戦の一つだろう。我々はあそこでの彼の成績を知っているし、僕はおそらくあのコートで他の誰よりも多く、彼とプレーしてきた。

コートはより広く、多くのスペースがあって、それは視覚的にプレーとコート上の選手の感覚に大きな影響を与える。そして、彼はかなり後ろに立ってリターンすることを好む。だから、彼がゾーンに入っていてミスをしないとき、破ることのできない壁のように感じることがある。ローランギャロスで彼と対戦するのは本当に最大の挑戦なんだ。

とりわけあのコートでもたらす彼の粘り強さと激しさは、スポーツの歴史の中でもめったに見られないもの。マドリードやここでもそうだったように、全仏は彼にとって非常に感情的なトーナメントになると確信しているよ」
そのジョコビッチは、今シーズンはここまで無冠だ。今大会は、「全豪オープン」、「BNPパリバ・オープン」、「モンテカルロ・マスターズ」に続く今季4つ目の出場で、キャスパー・ルード(世界7位/ノルウェー)に敗れたモンテカルロの準決勝からは約1カ月が経過している。

その間、3月のゴラン・イバニセビッチ氏とのコーチ契約解消に続いて、フィットネスコーチのマルコ・パニチ氏も解任。このイタリア人に代えて、2009年から2019年までチームにいたゲバルト・グリッチ氏を復帰させたことが明らかになっている。仕切り直しの期間に、全仏オープンに向けた良い準備ができたようだ。

「休養とトレーニングの時間は充分にあった。良いトレーニングを積んできたし、数日前にここに到着して、センターコートで打ったんだ。初戦に向けて良いフォームを作ることができる。パリで頂点に立つために良い道を進んでいると思う。ローマでは、モンテカルロよりもいいプレーができることを願っているよ」

構成●スマッシュ編集部

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