「劇的な変化」をさせた日本の保育園の給食 スイス育ちの偏食男児が一変

給食の魚のフライを頬張る長男ミオくん【写真:Hint-Pot編集部】

スイスでの育児や日常を「Ami’s Life スイス5人暮らし」というチャンネルで紹介しているYouTuberのAmiさん。現在は、家族で実家がある北海道へ一時帰国中です。普段はスイスで暮らす子どもたちが、日本の食や文化に触れて夢中になる様子は大人気。そこで今回は日本とスイスそれぞれでの、子どもたちの食生活について伺いました。

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ひとくちも食べずに拒否していたものにトライできるように

夫・ファビオさんとの国際結婚を機にスイスに移住してから、3度目の里帰り中だというAmiさん。3月に72時間の大移動を経て、北海道にある実家へ到着。一緒に来たファビオさんは仕事のため、2週間ほど滞在したのちスイスへ戻りましたが、今月また来日を予定しているそうです。

昨年10月に誕生したばかりの三男・ソノくんは離乳前のため、まだ食べることはできませんが、ふたりのお兄ちゃんたちはさっそく日本のおいしい食事の虜に。とくに、次男のリノくんが、草団子や焼き肉などを夢中になって食べる姿が反響を呼んでいます。Amiさんに、日本へ来てからの食に関するふたりの変化を教えてもらいました。

「なんでも食べるようになりました。スイスでも煮物や和え物は作っていたのですが、ひとくちも口をつけないで『これ嫌だ、嫌い』という感じだったんですが、日本ではそれを食べてみる。もちろん食べてみてダメだったこともありますが、逆もあって、パクパク食べて『おいしい!』みたいな(笑)」

ふたりの好き嫌いが減ったのには、日本で週5日通っている保育園の影響が大きいとAmiさんはいいます。

「お友達とみんなで毎日給食を食べているって、こんなにいいことなんだと思いました」

スイスでも給食はあるものの、高額な保育料の関係もあり、ふたりが保育園に行くのはたったの週1日。それが日本では週5日と、平日はほぼ毎日通っています。そこで同じ年代のお友達と同じものを食べるという経験から「なんでも一度は食べてみる」という変化が生まれたようです。

「メニューも素晴らしいです。日本の給食は栄養価も考えてあって、献立も毎日違うんですね。スイスの給食だと、やはりパスタとかが多いんです」

この日の給食メニューは白米、魚のフライ、サラダ、デザートにはバナナ。ミオくんはもともと偏食が激しかったそうですが、保育園では周りのお友達と話しながら、楽しそうに食べていました。

「煮物とか、和え物とかスイスで作っても一切食べなかったのに、今ではむしろ『おいしい』と言ったり、『サラダ食べたい』と言ったりするんです。劇的な変化です!」

日本に一時帰国中のAmiさん一家【写真:Hint-Pot編集部】

卵かけごはんにドハマりしているふたり

日本では食欲が止まらないミオくんとリノくん。スイスでもAmiさんが作る日本食を食べているため、とくに納豆と麺類は大好物です。日本へ来ても、納豆ごはんをもりもり食べるミオくんの姿が紹介されていましたが、実は新たにおいしさに気づいた日本の食べ物があるそうです。

「ミオは最近、イクラのお寿司が大好き。昨年の一時帰国したときに初めて食べたのですが、今回帰ってきてイクラを見て思い出したみたいです(笑)。イクラを見た途端に『これ、食べたい!』って。北海道なので、幸いどこにでもあって助かっています」

さらに、日本人のソウルフードともいえるメニューにもハマっているそう。それは、卵かけごはんです。Amiさんの実家で飼われているニワトリが産んだ卵を使った贅沢な一杯に、ミオくんはすっかりハマってしまったそう。スイスをはじめとする海外では生卵を食べる習慣がないため、子どもたちにとって新鮮な味わいなのかもしれません。

しかし、生食を前提として衛生管理が徹底されている日本と違い、スイスでは加熱調理が前提です。スイスに戻ってからも、卵かけごはんをリクエストされたらどうしようか、頭を悩ませているAmiさん。「これだけハマってしまっていると困りますが、焼くなどして、火をなるべく通して食べさせるしかないですね」と苦笑しました。

日本の食べ物のおいしさに、目覚めてしまったミオくんとリノくん。スイスに戻っても、好き嫌いせずいろいろなものをたくさん食べて、元気に成長していってくださいね。

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