外国人観光客が小学校を無断撮影も ごみ・混雑…インバウンド回復でにぎわう観光地に浮上する問題 【大分発】

新型コロナの5類引き下げ以降、初めて迎えたゴールデンウイーク。円安の影響などを背景に、国内だけでなく海外からの観光客も多く訪れ、各地でにぎわいを見せた。しかし一方で、観光客増加によって生じる様々な課題が浮き彫りに…。県内の現状や対策を取材した。

小学校では児童の無断撮影も…。

大分を代表する観光地の一つ・湯布院の街中にある由布院小学校には、学校の周りに「撮影禁止」などを外国語で示した看板が設置されている。

小学校の脇を歩きながら、スマートフォンで写真を撮影した外国人とみられる2人組。この小学校では、以前から外国人観光客による無断撮影や敷地内への立ち入りが問題となっていて、日本語のほかに英語などの4か国語で「撮影禁止」などと書かれた看板を設置して注意を呼び掛けている。

さらにメインストリートの「湯の坪街道」では道端に捨てられているゴミが…。由布市によると、自動販売機の横に設置されているリサイクルボックスにゴミが捨てられ、市民から苦情が出たため、市が数回ゴミを片づけたこともあるという。

「空の玄関口」では駐車場に入れない車も

また、大分空港では、ゴールデンウイーク期間中ということもあり、止める場所が見つからないほど多くの車が駐車している。
大分空港には約900台の駐車場があるが、ここ最近は休日などに空き待ちの長い車列ができることも。そのため空港ではゴールデンウイーク期間中は、約120台の臨時駐車場を設けた。現在、駐車場の拡張工事を行っていて、7月には130台ほど増える予定だという。

インバウンドの対応に外国人スタッフが活躍

一方で、人手不足が続く観光地のホテル。増加するインバウンドに対応するために、外国人従業員の採用を積極的に行うなどの取り組みも進んでいる。

由布市湯布院町にある旅館「ゆふいん山水館」。
こちらのフロントで5年前から働くネパール人のマイナリ・ディパクさんは、ネパール語、日本語のほか英語も話せるため、海外からの宿泊客の対応に欠かせない存在だという。

マイナリ・ディパクさんは「インバウンドのお客様も結構いらっしゃって、チェックインの対応とかには英語を使って、自分も勉強してて役に立った」と話す。

また、ゆふいん山水館・小野貴義社長は、マイナリ・ディパクさんについて「英語やほかの言葉が喋れることで意思疎通ができてるかなと。外国人の方におもてなしをするには、やはり外国人スタッフが必要かと思う」と印象を語った

県内の観光地にもにぎわいが戻る中で、課題も浮かび上がったゴールデンウイーク。観光客のマナー向上と、観光地側の工夫、それぞれが今後も求められそうだ。

(テレビ大分)

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