太陽系に存在する「小惑星」っていったいどういうもの?【図解プレミアム 宇宙の話】

太陽系小天体のうち、彗星ではないもの

「星」と名がつく天体には、恒星、惑星、衛星などがあります。、恒星は太陽のように、それ自身がエネルギーをつくり出して光を放つ星で、夜空に見える星のほとんどは恒星です。その恒星の周りを回っているのは自身がエネルギーをつくり出すことはない惑星で、先に述べたように、太陽系には水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星という8つの惑星があり、衛星はその惑星の周りを回っています。

太陽系の天体のなかにはほかに、惑星と同じように太陽の周りを回っているものの惑星や準惑星ではない、小惑星や彗す い星せいなど、「太陽系小天体」と呼ばれる天体があります。その太陽系小天体のうち、彗星でないものが小惑星と呼ばれます。

近年、たくさんの小惑星が確認され、50万個以上の小惑星に小惑星番号が付されていますが、ほとんどは地球の軌道より外側の木星と火星軌道の間の「小惑星帯」に集まっています。小惑星といっても数十メートル程度から数十キロメートル、数百キロメートルのものまで大きさはいろいろ、形も球形のものは少なく、さまざまな形状をしています。

もっとも大きい小惑星は「ケレス」でしたが、2006年に冥王星とともに準惑星にも分類されたため、現在は1802年にドイツで発見された「パラス」が純粋な意味でいちばん大きい小惑星となりました。パラスの直径はいちばん大きいところで約600キロメートルあります。とはいえ、9等星のため肉眼では見ることができません。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一

「地球はどうやってできたの? 宇宙のどこにあるの? 」「太陽が巨大化するってホント?」「月のクレーターや『月の海』って?」「 宇宙はどんな構造?いくつもあるの? 」など素朴なギモンに即答で宇宙のナゾに迫る! ——地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、61テーマと興味深い宇宙・星座コラムで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!

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