「町田が連敗しない原動力は?」。その直球質問に主力ボランチは何と答えたか。浮かび上がる”黒田監督の恐るべし指導力”

今季のJ1リーグでここまで旋風を巻き起こしているのがFC町田ゼルビア。ロングスローなど賛否が分かれる部分もあるが、12節を終えて堂々の首位とその戦いぶりは評価に値する。

とにかく失点と負けを嫌う黒田剛監督の下、町田はJ2で戦った昨季からここまで一度も連敗していない。直近の2試合、柏レイソル戦と京都サンガF.C.ではいずれも相手の長所を潰し、完封勝利を飾っている。この実力は本物と、そう言っても大袈裟ではないだろう。

加入1年目ながらもボランチの主力として存在感を示す仙頭啓矢は、チームの“失点アレルギー”について次のように答えている。

「『失点に対してアレルギーを持て』というのは常日頃から言われています。とにかく失点ゼロで終えるのが第一の目標というか、モットーでもあります」

そうしたモットーがあるからこそ、連敗なしで突き進めるのだろう。「連敗しない」と口で言うのは簡単だが、そもそも「町田が連敗しない原動力は何か?」。そうダイレクトに訊くと、仙頭ははっきりとコメントした。

「チーム全員が勝利に飢えている。試合に出て自分がやらないとポジションを失ってしまう危機感がある。勝負は勝ち負けで評価が変わってしまうので、そこに対してのこだわりが結果に出ていると思います」

この回答から浮かび上がるのは指揮官の力量だ。負けない意識を徹底的に叩き込み、選手に実践させる黒田監督の指導力、恐るべしである。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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