15歳の快挙をどう受け止めた? 国別対抗戦で敗れたアマ2人が好発進

アマ最上位の9位で滑り出した藤本愛菜(撮影/和田慎太郎)

◇国内女子◇RKB×三井松島レディス 初日(10日)◇福岡CC 和白コース(福岡)◇6305yd(パー72)◇晴れ(観衆2436人)

自宅のテレビで見た15歳の快挙は、同じアマチュアである18歳の中村心(人間総合科学大1年)、17才の藤本愛菜(福岡・沖学園高3年)にとって衝撃的だった。プロツアー、ましてや高難度のコースセッティングに仕上げられたメジャーの舞台。リ・ヒョソン(韓国)は2週前に韓国で行われた国別対抗戦「ネイバーズトロフィー」で争い、個人戦と団体戦で優勝をさらわれた強敵でもあった。

藤本は「友達なんです。何回も回って普通に話していたのに」と声のトーンを上げる。「自分も? (優勝者に)なりたいけど、そんなにうまくはいかないと思います…」と苦笑い。それでも、2023年「エリエールレディス」以来の出場となる国内ツアー初日を5バーディ、2ボギーの「69」で回り、地元大会で首位に2打差の3アンダー9位で発進した。「かみ合っていなかったショットが良くなった」と表情は明るい。

友達でもある15歳アマの快挙に続くか(撮影/和田慎太郎)

名門・沖学園ゴルフ部に所属。昨年5月からは同郷の辻村明志コーチにも指導を受けている。「(ショットとパットの)グリップの握りからラインの読み方まで。スイングも大幅に変えて良くなったと思う」と成長を実感。今週は初めてキャディを務めてもらっており、心強い。憧れとする上田桃子、吉田優利、渋野日向子らが同門で、合宿をともにするなど充実した日々を送る。

前年「日本女子オープン」ローアマチュア。中村心は20位発進(撮影/和田慎太郎)

中村も「すごいなあ…」と驚きながら、快挙を見届けた。ネイバーズトロフィーでは日本勢最高の3位に入ったが、4ストローク離された相手について「3つ年下なのにレベルが全然違うと感じた」と話す。「海外にはレベルが違う選手がたくさんいる。もっと頑張ろうと思った」と、この2週間で大きな刺激を受けた。

一時は4アンダーで単独首位に立った(撮影/和田慎太郎)

14位でローアマチュアを獲得した2023年「日本女子オープン」以来の国内ツアー出場。5バーディ、3ボギー「70」の2アンダー20位という滑り出しに「緊張したけどアンダーで回れて良かった」とうなずいた。今年から航空大手のANAからサポートを受け、ロゴの入ったキャップを着用する。「期待されていると思うので、頑張りたい」と表情を引き締めた。

藤本は昨年末、中村は年始からナショナルチームに加わった。何より選抜されたことで、一番の目標に掲げる今年のプロテストに最終から加われることが大きい。初挑戦となる藤本は「徐々に調子を上げていければ合格できると思う」と自信を深めつつある。(福岡市東区/塚田達也)

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