お笑い芸人 安井政史さん 球磨焼酎と新喜劇に全力投球【熊本】

お笑い芸人の安井政史(やすい・まさじ)さん。新しい商品の開発に関わり、『球磨焼酎大使』としてPRに励んでいます。一方、再始動した『九州新喜劇』の座長を目指して、新たなチャレンジを始めました。

10日に放送された『英太郎のかたらんね』です。金曜日レギュラーのお笑い芸人・安井 政史さん。熊本市出身です。

【安井 政史さん】
「ありがたいことに参加させてもらって、もうそろそろ8年。熊本地震の2カ月後に帰って来て、ちょっとしてから出してもらったので。県民の方々の思いを大事にしながら、みなさん闘っている姿はすごいと思います」
「子供の頃は引っ込み思案だったと思うんですよ。母親いわく、通知表のところに『なんかもうちょっと自我を出してください』みたいなことが書かれていた感じらしいです。でも、目立つことは好きだたんじゃないですかね」

無類のマンガ好きであることでも知られ、関連するイベントにもひっぱりだこです。

高校を卒業した後、やりたいことがなく、同級生たちが働く姿を見て、焦りを感じていました。やがて、お笑い芸人になろうと養成所へ。しかし、思うようにいかない日々が続いたといいます。

「めちゃくちゃ寂しかったです。友達もおらんし、何やってもそんなうまくいかないので、つらかったですね。向こうで、ちょっとずつ芸人仲間ができてきてそのあたりとなんだかんだイベントやったり、漫才コントやったりとかしながら、ちょっとずつ、なんか方向性が見えてきたっていう感じですかね」

現在は『熊本県住みます芸人』としてテレビやラジオの番組、イベントなどで活躍中です。

安井さんは2022年3月、『球磨焼酎大使』に就任しました。球磨焼酎の消費拡大に一役買っています。

「樽の風味を炭酸で割って氷を入れて、ガーッと流し込んだら、この夏、最高においしいです。その飲み方してみてください。僕はこれで球磨焼酎にはまりました」
「恥ずかしい話、それまで球磨焼酎を何種類かしか飲んだことがなかったんですよ。あの豪雨があった時に桜町で復興支援イベントがあって、球磨熊焼酎のブースが出ていたので飲ませてもらって、その時、うわっ、おいしいと思って。球磨焼酎ってこんなのがあるんだと、そこから好きになって、人吉にいろいろ顔を出すようになったんです。球磨焼酎サイドの方々に顔をちょっと知ってもらった時、(球磨焼酎大使に)推してもらったという形です」

(2022年12月/人吉市)
吉本新喜劇人吉特別公演『吉本新喜劇人吉特別公演』。2020年7月の豪雨で酒蔵などに大きな被害が出た球磨焼酎の復興と消費拡大を笑いの力で後押ししようと上演されました。

熊本市中央区下通にあるバー『大阪たこ焼きとハイボール 伊賀流(いがりゅう)』です。

店主の松村 浩さんは、球磨焼酎のイベントで安井さんと知り合いました。

「これがおいしいんです。熱いんですけど、このはぐはぐしながら…この本当にソースとかマヨネーズとかかかってないじゃないですか。これでおいしいっていうのがね。もう生地で勝負しているんですよね。僕はこれを『味のないたこ焼き』って言って、めちゃくちゃ怒られるんですよ。味はあるんですけど、味付けを別にしてないという意味で。ゆっくりと味わったところに、これ、球磨焼酎で…めっちゃめっちゃおいしい。球磨焼酎って、米ってやっぱり何にでも合うんですよ、結局」

安井さんは球磨焼酎を応援する取り組みを始めました。まずは人吉市の福田酒造で新たな商品の開発に関わり、『感じる樽神輿イヤ~ん』を完成させました。

【福田酒造 代表取締役 福田 寿一さん】
「安井さんはうちでブレンド体験をして、『安井ブレンド』の焼酎を造られました。安井さんが一番、球磨焼酎大使のハッピを着られていますし、すごい活動を全国的にされていると思います」

そして、球磨焼酎応援企画の第2弾は、錦町の常楽酒造と五木村とコラボした『球磨焼酎で作った紅茶のリキュール』。完全無農薬で作った五木村産の和紅茶を球磨焼酎に漬け込み、香りや味が高まるのを待って瓶詰めしたものです。飲みやすくスッキリした紅茶の風味とほのかな米の甘みが楽しめます。

球磨焼酎バーこの二つの商品を知ってもらおうと、4月20日、熊本市の健軍商店街で『安井政史の球磨焼酎バー』というイベントが開かれました。夜7時のスタートからいきなり満席。バーテンダー役の安井さんは大忙しです。

「ものすごく忙しいです」
(忙しくなると思っていた?)
「まったく、めちゃくちゃ気を使っています。ありがたい。うれしい悲鳴なんで、頑張ります」

【常楽酒造 常務取締役 中村 圭吾さん】
「パーフェクトですよ、何かフォローしようかなと思ったんですが、フォロー必要なしですね、大丈夫です。さすが球磨焼酎大使です。安井さんが『球磨焼酎で作った紅茶のリキュール』は『ぜひアップルのジュースで飲んだらおいしいよ』と言われたので、きょう初めて飲みました。スッと入りますね。より一層、球磨焼酎を広めていただきたいですよ」

(市民会館シアーズホーム夢ホール/熊本市中央区/3月17日)
芸歴20周年のことし、安井さんは『九州新喜劇』の座長を目指すことになりました。ただし、間 寛平さんから『座長になるには福岡にある吉本の劇場を3日連続で満席にすること』という条件が出ました。

これを達成するために、3月に九州ツアーがスタート。まずは熊本からでした。

安井さんには挑戦する理由がありました。吉本新喜劇の副座長の経歴を持つ寿 一実(ことぶき・かずみ)さん。2018年に『九州新喜劇』を初代座長として旗揚げしました。

「とんでもなく芝居が上手だったんですよ。もう流れるような、人を立てながらこうずっとかわしていって。ただ軸は実はその人が持ってるみたいな。本当、すごい方だったんですけれども」

寿さんは去年5月に亡くなりました。66歳でした。

「体調の悪い時にお話をいただきまして、『背負ってくれへんか?』と。SNSで『僕で大丈夫でしょうか』というお話をさせてもらったら、『鬼に金棒です。九州新喜劇をよろしくお願いします』と言っていただきまして、受け継がせてもらうという形で。新喜劇ってお芝居をしっかりした上で笑いを運ぶというのがすごく、ミソになっていると僕は思うんですよね。僕の理想とする新喜劇なんですけど、その時のお客さんがお芝居で泣いて、それでも笑かしてくるという独特の空間があるんですよね。それをやれたらなと思って、手応えはありました。泥臭く、なんとか笑顔にさせようとしているさまを楽しんでくれたというところですかね」

次の公演は福岡市で、5月19日(日)です。

【安井 政史さん】
「寿さんの遺志を継いで九州を喜劇で新喜劇で本当に笑顔にするように頑張りますので、どうぞ皆さん九州新喜劇をよろしくお願いします!」

『九州新喜劇本公演2024福岡
~もう一回やりますけん、笑いに来てくれんですか編~』
福岡市民会館 小ホール 5月19日・日曜、午後1時半開演。

© テレビ熊本