大規模な太陽フレアが発生 10日夜以降に通信障害やGPS誤差発生の可能性

by 清宮信志

情報通信研究機構は、5月8日から発生している、大規模太陽フレアに伴う通信障害などに関する注意喚起を行なった。

日本時間5月8日10時41分以降、10日2時44分までに、太陽面中央付近に位置する黒点群13663および13664で大規模な太陽フレア5回を含む複数回の太陽フレアの発生を確認。この現象に伴い、コロナガスが地球方向へ放出したことが複数回確認されているという。コロナガスは、日本時間の5月10日の夜以降、順次到来することが予測されている。

この影響で、地球周辺の宇宙環境が数日間大きく乱れる可能性がある。具体的には、地球周辺の人工衛星の障害やGPSを用いた高精度測位の誤差の増大、短波通信障害などが生じる恐れがあり、宇宙システムの利用に注意が必要になる。今後数日間は、非常に活発な黒点群による同規模の太陽フレアや関連現象の発生に注意が必要としている。

5月8日以降は連日、電離層に異常が発生して通信障害を引き起こす、デリンジャー現象も確認されている。

太陽フレアは、太陽の黒点付近で生じる爆発現象のこと。強い紫外線やX線、電波等が放射されるほか、コロナガスが放出されることもある。発生したフレアのX線強度の最大値により、小規模なものから、A、B、C、M、Xの順にクラス分けされる。今回の太陽フレアはXクラスのものが連続して観測されている。

コロナガス放出は、太陽の上層大気であるコロナのガスが惑星間空間に放出される現象。地球に到来すると大規模な宇宙環境変動を引き起こすことがある。

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