【実体験】やらなきゃよかった「リビングの後悔」5選!注文住宅を購入した体験談

2階リビング、吹き抜け…実は無駄だった?住宅のプロが解説

「日本トレンドリサーチ」と「ナチュラルハウス」は、家を建てるならこだわりたいことについてアンケートを実施しました。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査期間:2023年5月26日 ~2023年5月29日
  • 調査機関:日本トレンドリサーチ(自社調査)
  • 調査対象:事前調査で「家を建てて(購入して)住んだことがない」と答えた全国の男女
  • 有効回答数:841サンプル
  • 調査方法:インターネット調査
  • リリース公開日:2023年6月7日

※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。

それによると「将来的に家を建てたい(購入したい)」と思っている方は31.6%(266人)で、その中の半数近くの42.5%の方が「リビングにこだわりたい」と回答したそうです。

リビングは家を建てる際に最も建て主のこだわりが強く現れる部分です。

また、家の中で一番リラックスできる場所と思っている方が多いため、注文住宅の満足度はリビングルームの出来・不出来が大きく影響するといっても決して過言ではありません。

そこで今回の記事では、実際に注文住宅を建てた方の中から「リビング」にまつわる後悔ポイントがある方の意見を5つ紹介したいと思います。

この事例は、次のような方々の実際の体験談になります。

  • 【現在の年齢】 40歳代
  • 【購入時の年齢】30歳代

後悔等をもとに、自分にあった住まいづくりを実現しましょう。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

リビングの後悔ポイント1:窓の設置位置が悪く、中が丸見えになる

【写真全4枚中1枚目】注文住宅でのリビングにまつわる後悔ポイント1:窓の位置で後悔。その他の後悔ポイントも2枚目以降で見る

「リビングの窓の設置位置が悪く、隣の家や近くの道路からリビングの中が丸見えになる」

リビングには大きな窓を設置して開放感を演出したくなりがちですが、周辺環境によっては家の中が丸見えになってしまうことがあります。

そうなってしまうとせっかく窓を作ったのに、カーテンを常時閉めっぱなしにしてしまうことにもなりかねません。

隣家の窓の位置や周辺道路の状況をあらかじめ確認しておき、プランニングを進めていくことが不可欠になります。

なお、目隠し用の植栽やフェンスなどをプランニングの段階から計画して、周囲からの視線を遮るように工夫することもできます。

リビングの後悔ポイント2:窓を大きくしすぎた

「窓を大きくしすぎたため、夏は室内が暑くて電気代がかかる。日差しが強いため一日中カーテンを閉めきっているし、冬の夜が寒すぎる」

リビングの窓が小さいと、思っていた以上に部屋が暗くなってしまうことがあります。
しかし窓を大きくしすぎたために、「夏は暑くて冬は寒い」と後悔するケースも少なくありません。

大きな窓があるとどうしても建物の断熱性が低くなってしまうので、室内への熱の出入りが大きくなり、冷暖房による空気が外に逃げてしまいます。

その結果、「夏は暑くて冬は寒い」といったことが発生しやすくなります。

また「日差しが入り込みすぎて眩しい」、「床や家具が日焼けする」といったことのほかに、建物の耐震性が低下するデメリットも。

大きな窓を設置する際には、断熱性能の高い窓(Low-E複層ガラス、Low-Eトリプルガラス等)を採用する、庇や遮光カーテンなどで日差しを遮る工夫をするほかに、耐震性がきちんと担保されていることを確認しておくことが大切です。

リビングの後悔ポイント3:2階リビングは使わなかった

リビングの後悔ポイント3:2階リビングは使わなかった

「2階にもリビングルームを作ったが、家族全員1階のリビングしか使わず。2階は全く利用することがないので、単なる無駄だった」

1階よりも2階の方が採光や通風の面で有利になることが多いため、都市部の住宅密集地などではリビングルームを2階に設置したり、2階に6帖程度のセカンドリビングを設けたりすることも少なくありません。

しかし利用目的がはっきりとしないままに2階にセカンドリビングを設けた場合、利用頻度が低く、次第に使わなくなって物置化してしまうことがあります。

あらかじめ用途や利用する場面を明確にしておくとともに、子どもの成長などのライフステージの変化に合わせた使い方を考えておくことが大切です。

リビングの後悔ポイント4:吹き抜けにしたがエアコンが効かない

リビングの後悔ポイント4:吹き抜けにしたがエアコンが効かない

「リビングを吹き抜けにしたが、夏場はクーラー、冬場は暖房が効きにくくて後悔している」

リビングを吹き抜けにするメリットは、自然光を取り入れやすく風通しが良くなる点です。

また視覚的に広くなることで開放感が増すのもメリットのひとつです。

一方で、空間が広くなるためエアコンの効率が下がり、夏場は日差しが入りやすいため室温が上昇しやすく、冬場は暖かい空気が下の空間に溜まりにくくなってしまうデメリットがあります。

また、音や臭いが漏れやすくなるので、1階の音がダイレクトに2階に伝わってしまいがちです。

リビングを吹き抜けにする場合には、以下のような対策をするとよいでしょう。

  • シーリングファンなどを設置して空気を循環させる
  • 家そのものの断熱性能や気密性能を高める
  • 吹き抜け上部に接する部屋には吹き抜けに面して開口部を設けない

上記のような工夫をすることで、吹き抜けでも快適に過ごすことができるようになるでしょう。

次章ではリビングにまつわる最後の後悔ポイントを紹介します。リビングの間取り次第で、意外な部分に影響が出てきます。

リビングの後悔ポイント5:リビング中心の間取りにしたために収納が減った

後悔ポイント5:リビング中心の間取りにしたために収納が減った

「リビングが中心の間取りになっていて、色々な部屋から直接リビングに行けるようにした。その結果壁面が少なくなり、壁掛けテレビや家具の設置スペースがなくなってしまった」

リビングに窓やドアが多いと壁面が少なくなってしまうので、大型の家具や家電などの設置場所が少なくなり、配置やレイアウトが非常に難しくなります。

したがって、あらかじめリビングに必要な家具や家電のレイアウトを考えた上で、窓やドアの位置、数などを検討することが大切です。

また、どうしても設置したい家具や家電がある場合には、それに合わせた広さや壁量を確保することを優先することが必要になります。

さらに壁量は建物の耐震性能にも大きな影響を与えるので、必要最低限の壁量を確保できるようにすることが非常に重要です。

後悔しない住まいづくりを

家族が集まって長い時間を過ごすことが多いリビングでは、単に使い勝手が良いばかりでなく、外部からの視線や気密・断熱性能に対する配慮が非常に重要になります。

しかし単に広さやデザインだけを追い求めてしまうと、暑い、寒いといった居心地の悪い空間になってしまって後悔することになります。

このような後悔を避けるためには、実際に建てられた家の施工事例や間取りを参考にしたり、モデルハウスや現場見学会に足を運んだりすることも大切です。

また、それ以上に他の人の体験談を参考にすることがさらに重要になるといえます。

国土交通省の調査では、令和4年度の注文住宅の住宅建築資金(土地購入資金を除く)のうち自己資金は1177万円であり、「自己資金比率」は29.9%となっています。

「自己資金がどれくらいあれば家を建てられるのか」と悩んでいる人は、上記を参考に資金の目標値を設定するのも良いですね。

ここで紹介した後悔事例を、自らのマイホームづくりに役立てていただけたら幸いです。

参考資料

  • 国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査 報告書」
  • 日本トレンドリサーチ「家を建てるならこだわりたいことに関するアンケート」
  • ナチュラルハウス

© 株式会社ナビゲータープラットフォーム