【西武】防御率ついに5点台…惨敗後にブーイングと罵声 止まらぬ崩壊に松井監督「まだ5月」

苦しい戦いが続く西武・松井監督

西武の〝崩壊現象〟に歯止めが利かなくなってきた。10日の楽天戦(ベルーナ)は2―13で大敗し、今季4度目の4連敗で借金は今季最多の「11」まで膨らんだ。

プロ初先発の青山が5回途中3失点で降板。6回には3番手・本田が4安打3失点でリードを広げられると、7回には4番手ヤンが浅村に4号3ランを被弾して大勢が決した。そして、8点ビハインドの7回途中から登板した5番手・浜屋は8回に4失点しながら9回も続投。3連戦をトータルで考えれば、これ以上投手を使いたくなかったベンチの措置に、スタンドの西武ファンから「頑張れ、頑張れ、浜屋!!」の大声援が送られた。

結局、投手陣は18安打10四死球、13失点の大失態…。ファンのやり場のない思いが悲しい「浜屋」コールとなって表れた形だ。しかも、大差のまま試合終了となると、最後まで見届けたファンからは左翼席を中心にブーイングとも監督批判ともつかない罵声が飛び交い、不穏な空気も流れた。ただ、それも致し方ない情勢となっている。

試合後、松井稼頭央監督(48)は「得点圏にいくところまではいい形には持ってきてくれていると思うし、あとはそこからどう点を取っていくか。そういうところも含めてまた明日やっていきたい」。10安打を放ちながら4度の得点機で、相手暴投と適時打による2得点に終わった打線の決定力不足に言及した一報で、ブルペン陣も6回以降だけで10失点。これには「四球が重なってくると、大量得点にもつながってくる。そこも含めてまた明日やっていきたい」と前を向くしかなかった。

チーム打率2割5厘、80得点は12球団ワースト。強固な先発陣を誇りながら、救援防御率は5・04まで悪化して危機的な状況だ。松井監督はそれでも球場に足を運んでくれたファンに向けてこう言葉を向けた。

「ファンの皆さんの最後までの声援は大きい。途中で(席を立つ姿を)僕も見ましたけど、もう勝つことしかないと思うし。そこというのはしっかり受け止めて。今の状況はもちろん分かっていますし、何とか選手も含め何とか1つでも(勝ちたい)と思い戦っています。そこは変わらず。まだ5月ですし、可能性もあるわけですから、一戦一戦全力を尽くしていきたい」

あくまでもファイティングポーズを崩すことはないが、7連敗が始まった4月9日からかれこれ1か月…。好転させる術が見つからないまま、現場とファンの間で何かが崩れ始めている。

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