覆面パトカーごっこで現場に急行し、タクシーに衝突…“あぶない会社員”の呆れた動機

覆面パトカーを装い衝突事故を起こした車両(C)共同通信社

やることが「ガキ」としか言いようがない。

覆面パトカーを装った普通乗用車で赤信号の交差点に突っ込み、タクシーと衝突して4人にケガをさせたとして、長崎市の会社員、本村陸(24)と同乗者で北九州市の会社員、仰木康汰(25)両容疑者が8日、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで福岡県警中央署に逮捕された。

■「交差点に進入します」とアナウンス

2月17日午前1時34分、本村容疑者が運転する「トヨタカムリ」で福岡市中央区天神を走行中、現場に急行するパトカーを見つけると、2人は「あぶない刑事」気取りで緊急出動態勢に入る。助手席の仰木容疑者が赤色回転灯を手に取り、窓を開け、車体に設置。本村容疑者が手元のスイッチをオンにして赤色灯を点灯。「ウーウー」とサイレンを鳴らし、助手席の仰木容疑者がマイクで「交差点に進入します」とアナウンスした。

本村容疑者はアクセルを踏み込み、ニセ覆面パトカーはグングンスピードを上げてパトカーを追跡。天神駅方面へ走行中、交差点に差し掛かり、赤信号を無視して進入。左から交差点に入ってきたタクシーと出合い頭にズドンと衝突した。

タクシーはニセ覆面パトカーの助手席のドアに突っ込み、2台はその場で停車した。

タクシーの運転手(61)と乗客3人は捻挫などのケガを負い、全治2週間。事故を起こした本村容疑者が自ら110番し、「パトカーごっこ」を“自供”した。

2人は調べに「警察官が職務質問する様子を見るためにパトカーを追いかけた」と供述しているという。

「車内には回転赤色灯はもちろん、センターコンソール付近には本物のパトカー同様、ハンドマイクやサイレンのスイッチ、スピーカーの音量を調整できる機器まで取り付けられていた。被害者にケガをさせたことから過失運転ではなく、危険運転致傷となった。2人はこれまで同様の危険なパトカーごっこを繰り返していたというから、悪質です」(捜査事情通)

本人たちは走行中の車両が道を譲り、満足だったかもしれないが、アホな「パトカーごっこ」に巻き込まれたタクシー運転手や乗客は大迷惑。たまたま軽傷で済んだが、一歩間違えれば大事故につながる。そんなことも分からないのか。

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