「Pixel 8a」をさっそく試用、現時点で「買い」と思える3つの理由

Googleのスマートフォンの中でも、「Pixel a」シリーズは地味ながら、興味をそそられる存在だ。それは、このシリーズがミッドレンジのスマートフォンに求められる絶妙なバランスを体現しているからだろう。Pixel aシリーズは登場以来、価格に見合った価値とは何かを示す基準となってきた。

これは最新モデルの「Pixel 8a」でも変わらない。Pixel 8aもまた、高い品質とさりげない妥協を両立したスマートフォンだ。しかも、価格は1年前に登場した「Pixel 7a」と変わらない(日本では3300円の値上がり)。筆者がPixel 7aに抱いた不満はおおむね解消されているが、後述するように、いくつかの欠点は今も残っている。

しかし、午前中をかけてテストし、あちこちをいじってみた結果、3つの際立った特長によって、Pixel 8aは2024年に買うべきお手頃スマホになると確信した。

1. 最高クラスのディスプレイ

ディスプレイの出来はスマートフォン体験を左右する。Pixel 8aのディスプレイは、筆者がこれまでに見てきたGoogle製スマートフォンの中でも最高クラスだ。6.1インチの「Actuaディスプレイ」は、保護シートを貼りやすいフラットなデザインを採用。四辺のベゼルはほぼ同じ太さとなっている。色は鮮やかで、サイズを考えれば十分以上の解像度(1080×2400)を持ち、現時点での印象としてはディスプレイの質は高い。

Pixel 8aのOLEDディスプレイは、2023年発売のPixel 7aとほぼ同じものだが、リフレッシュレートは最大120Hzまで向上し、ピーク輝度は2000ニトに達する。この2点により、特に屋外や直射日光下でのコンテンツ視聴や電話応対の体験は大幅に改善されるだろう。

2023年秋に登場した上位の「Pixel 8」シリーズは、ディスプレイの明るさが売りの1つだった。この特長が大衆向けラインのPixel 8aにも受け継がれたことを歓迎したい。Pixel 8aのディスプレイに関して、1つだけ注意が必要なのは、リフレッシュレートは自動で調整されることだ。つまり、120Hz固定にはできない。写真アルバムをスクロールしているときなど、ディスプレイ上にアニメーションの要素が少ないときやバッテリー残量が少ないときは、リフレッシュレートは60Hzまで低下する。

2. 7年間のOSアップデートを保証

「かこって検索」や「音声消しゴムマジック」、「Gemini」といったAI機能はPixel 8aでも使えるが、これは驚くに値しない。Googleによれば、こうしたオンデバイスまたはクラウドベースのAIツールは、Pixel 8aに搭載されたGoogle純正プロセッサー「Tensor G3」の力によるものだ。また、7年間のソフトウェアアップデート保証というGoogleの思い切った方針も適用された。

この長期ソフトウェア保証はPixel 8で初めて導入されたもので、Pixel 8aの場合は2031年まで、最新のOSアップグレードやセキュリティパッチ、定期的な新機能の追加アップデート「Feature Drop」を利用できる。これは、特に500ドル(約7万8000円)未満のスマートフォン市場では前例のないものだ。この保証を得たことで、Pixel 8aはこの価格帯で購入できるスマートフォンとしては最も安全で安定した端末となった。

Pixel 8aを長く使い続けられるように、ストレージは256GBも選択できるようになった。これは基本のストレージの2倍であり、ローカルにたくさんのデータを保存したい人のための選択肢だ。過去のPixel aシリーズにはストレージの選択肢がなく、2023年発売のPixel 7aもストレージは128GB一択だった。

3. 貴重な小型のカラフルなスマートフォン

Pixel 8aを初めて手にしたとき、筆者の頭には2つの考えが浮かんだ。まず、6.1インチというサイズは写真や動画の撮影時に非常に持ちやすいということ、もう1つは、新色の「Aloe」は、初期のレンダリング画像から想像していたスライムグリーンではなく、スペアミントガムの色に近いということだ。色については確かにがっかりしたが、考えてみると、筆者が普段使っているスマートフォンは購入後すぐにプラスチックケースに入れ、以来、外したことがない。最近のスマートフォンが色で冒険しなくなった理由がわかった。

良い点としては、Pixel 8aはどの色を選んでも背面カバーはマットな質感になっており、指紋や油のシミがつきにくいことだ。また、IP67の防塵・防水性能を備え、ディスプレイはCorning製の「Gorilla Glass 3」で保護されている。

(現時点での)結論

まだ使い込めてはいないが、Pixel 8aの第一印象は上々だ。プロセッサーとディスプレイのアップグレードは使い勝手の向上に寄与しており、7年間のOSアップデート保証を得たことで、2030年代に入っても問題なく使える見通しがたった。価格も(米国では)据え置きであることを考えると、Pixel 8aは500ドル未満のスマートフォンの中では引き続き最高の選択肢と言える。

この価格を実現するために、Googleはいくつかの妥協をしたようだ。例えば、ディスプレイを保護するガラスは上位モデルよりも耐久性の低いCorning製のGorilla Glass 3だ。充電の最高速度も18Wにとどまる。カメラは2023年発売のPixel 7aと同じ、二眼構成だ。今後もレビューを続け、こうした妥協が全体の体験にどの程度影響するかを検証していきたい。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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