“売り子さんからしか買えない”新おつまみ 地元企業が売り子さんと手がけた「カープMIX」 今季からマツダスタジアム限定で販売

カープの本拠地・マツダスタジアムでは、2024年のオープン戦からある「おつまみ」が限定販売されています。商品の開発から販売までを取材しました。

マツダスタジアムでビールを販売する売り子さんたち。リュックサックにぶら下げているのは、ビールのお供、おつまみです。このおつまみ、なんと売り子さんがプロデュースしました。

販売を手がけたのは、地元の豆菓子メーカー「イシカワ」です。イシカワは廿日市市に本社を置く1927年に創業した老舗メーカーです。

看板商品はおよそ50年前から販売されている「ポーカーピー」。ピリッと甘辛いピーナッツのお菓子です。近年、豆菓子の売り上げが下がり、購入層は中高年に偏っていました。

この状況を打開しようと、入社6年目の竹野下さんはこんな提案をしたといいます。

イシカワ営業部 竹野下諒さん
「(マツダスタジアムで)20代の従業員がとてもビールを買うという話を聞いた。豆菓子というと50代や60ぐらいの年配の方が食べているイメージやそういった話も聞く。もっと若い方にも食べてもらえるといいなというところから、売り子さんにつけてもらえたらいいなという」

このアイデアから、実際にマツダスタジアムでビールを販売している、売り子さんがプロデュースしたおつまみを商品化することになりました。名付けて"カープMIX"です。

イシカワ営業部 竹野下諒さん
「今回の企画は売り子さんプロデュースの商品ですので、売り子さんが自信を持ってお客様とコミュニケーションを取る架け橋となるような商品になってほしいと思っています」

商品開発会議では売り子さんならではの意見が

商品開発会議は2度開かれ、観客に直に接する売り子さんならではの様々な意見が出ました。

売り子さん
「アーモンドが素焼きなので、喉が渇いてビールを買ってくれる人が増えるんじゃないかな」
「子どもも一緒に食べるなら甘いほうがいいのかな。バターピーナツのほうがいい」

カープMIXの味はイシカワの看板商品である「ポーカーピー」とバターピーナッツを混ぜ合わせることに。パッケージのデザインは、商品企画部の西宮さんが担当しました。

イシカワ商品企画部 西宮早紀さん
「黄色の丸の売り子さんのイラストを残す商品が見えるように修正したい」

売り子さんたちの発案で"売り子さんがプロデュース"した"スタジアム限定商品"であることを目立たせることにしました。

イシカワ商品企画部 西宮早紀さん
「売り子さんたちの意見をいただいて、スタジアム限定商品の文字を商品名の上に移動させました。売り子さんたちの意見が的確すぎてやっぱり現場の意見がすごいなと思いました」

竹野下さんの最初の提案から半年の期間を経て、ついに商品が完成しました。

とうとう発売!反響は…

マツダスタジアムで販売がスタートしました。現場には、商品開発会議に参加していた売り子さんの姿も…。

売り子 まゆさん
「カープMIXを食べてビールとの相性がいいからもう一回ビール買うよといって次の一杯につながったこともあるのですごくうれしいです」

実際にビール販売へついて行くことに…お客さんの反応は?

「美味しそうだったから」
「ちょっと気になったんで。限定って聞いて。それで買っちゃいました。売り子さんの強い勧めもあったので買いました」
「美味しいです」

持っていた、カープMIXがなくなり、補充する姿も…

売り子まゆさん
「みんな美味しいといってくださって、すごくうれしいですし、これからもたくさんの人に食べてほしいです」

売り子のまゆさんは、30分で5個のカープMIXを販売しました。

イシカワ営業部 竹野下諒さん
「いろんなお客様が笑顔でカープMIXを購入いただいているところを見られて、うれしい。今の課題である新たな顧客の獲得、もちろん50代以上のお客様で知らない方もたくさんいらっしゃると思うので、ゆくゆくは全国でイシカワの名前がとどろけばいいなと思ってます」

カープMIXはOP戦から販売を始めて1日100個売れて、日に日に販売数が増えているそうです。1個200円で売り子さんからしか買えないので、マツダスタジアムに行った際はぜひ売り子さんに声をかけてみては??

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