外資系自動車メーカー、中国事業を引き続き拡大

外資系自動車メーカー、中国事業を引き続き拡大

8日、瀋陽市で行われた華晨BMW600万台目のラインオフ式。(瀋陽=新華社記者/潘昱竜)

 【新華社瀋陽5月11日】外資系自動車メーカーはこのところ、相次いで中国事業を拡大しており、中国におけるチャンスの共有を目指している。

 ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は、ドイツ本部以外で最大研究開発センターを中国に設立し、インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の研究開発に焦点を当てている。米電気自動車(EV)大手テスラは、中国上海の「ギガファクトリー」が同社の主要な世界輸出センターとなり、23年の生産能力の過半数を占めた。

外資系自動車メーカー、中国事業を引き続き拡大

8日、瀋陽市で行われた華晨BMW600万台目のラインオフ式。(瀋陽=新華社記者/潘昱竜)

 ドイツ自動車大手のBMWは、中国市場に進出してから今年で30年を迎えた。中国の華晨汽車集団との合弁会社、華晨宝馬汽車(華晨BMW)では5月8日夜、600万台目がラインオフした。BMWはこのほど、200億元(1元=約22円)を追加投資し、瀋陽生産拠点の高度化に充てると発表した。デジタル化と電動化を目指す「新世代」車種は2026年に瀋陽で完成する予定という。オリバー・ツィプセ取締役会会長は「中国の今日の動向は、未来の世界の方向性を左右する」と語った。

 外資による投資の背景には、中国の超大規模市場がある。中国の23年の自動車生産台数は前年比11.6%増の3016万1千台、販売台数は12.0%増の3009万4千台となった。うち新エネルギー車(NEV)は、生産が35.8%増の958万7千台、販売が37.9%増の949万5千台だった。

外資系自動車メーカー、中国事業を引き続き拡大

瀋陽市で行われた同市とBMWの戦略協力深化協定調印式の様子。(4月26日撮影、瀋陽=新華社記者/潘昱竜)

 ドイツの自動車専門家、フェルディナント・ドゥーデンヘファー氏は、世界的に見て、消費者のグリーン(環境配慮)・低炭素に対する追求が巨大な新エネ車需要を生み出しているとし、中国のEV市場は飽和状態に程遠く、引き続き欧州や米国市場に比べ、より速く、より力強く成長するとの認識を示した。

 中国の自動車生産・販売台数は15年連続で世界トップを維持し、新エネ車生産・販売は9年連続で世界首位に立つ。輸出台数は23年に再び過去最高を更新した。

 BMWの決算によると、23年の世界における純電気自動車(BEV)納車台数は37万5千台、うち約10万台は中国市場に納車され、全体の25%以上を占めた。同年、VWの中国でのBEV納車台数は23.2%増の約19万1800台となり、メルセデス・ベンツは2倍に増加した。

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