市川染五郎 19歳の“美”に接近! 「自分を美しいと思ったことはない。変化していく過程を楽しみたい」

歌舞伎俳優・市川染五郎さん――松本幸四郎さんの長男として生まれ、2007年に歌舞伎座『侠客春雨傘』で初お目見え。

【写真6枚】クールに見られがちだけど、素顔の市川染五郎は…

2018年に八代目市川染五郎を襲名して以降、多くの作品で活躍しています。

そして、公開されたばかりの劇場版「鬼平犯科帳 血闘」に、主人公“鬼の平蔵”こと火付盗賊改方長官・長谷川平蔵の青春時代・銕三郎(てつさぶろう)役で出演。

実父・幸四郎さんと同一人物に扮し、ちょっとやんちゃで気風のいい芝居を披露しています。

<市川染五郎「鬼平犯科帳」への出演は、父・松本幸四郎の「力になれたらという心境で」 鋭いナイフのような若き“鬼平”役で存在感>

めざましmediaでは、そんな染五郎さんにインタビュー。これからの歌舞伎界を担っていくであろう19歳の素顔に迫りました(全3回の2回目/1回目を読む)

<市川染五郎 インタビュー>

――市川染五郎さんってどんな人?ご自身ではどう思いますか?

基本的に飽きっぽい性格です。本当に好きなものにはガーッと没頭しますが、一時的に好きなものに対しては、すぐに飽きてしまいます。

――クールで冷静沈着なイメージがあり、熱くなっている姿があまり想像できません。

そういうイメージで見られていることは、自分でも理解しています。実際はそうじゃないんですけどね(笑)。

――最近、熱くなったエピソードがあれば聞かせてください。

博多座の『二月花形歌舞伎』に出演した際に制作から関わらせていただきまして、出演しながら作品全体のことも考えなければいけない立場だったんです。昼の部の『江戸宵闇妖鉤爪』で二役を演じ、夜の部の『鵜の殿様』ではまた別の役をやって、その二演目をセットで連日の公演。とにかく無我夢中で、毎日熱くなっていました。

――飽きっぽい性格とのことですが、趣味はありますか?

絵を描くことは好きですが、雑誌『婦人画報』(ハースト婦人画報社刊)で『八代目市川染五郎のしばい絵日記』という連載をやっているので、そのために描くぐらいしかしていません。「これが趣味です」と言えるようなものは、現在はないですね。

――以前は仏像をコレクションしていましたよね?

好きで集めていましたが、今はもう集めていないんです。仏像を見ることは今も好きですし、自宅にはきちんと飾ってあります。京都や奈良を訪れたときは寺社まで足を伸ばしては、仏像と“対面”しています。

まわりからは「わかりやすい性格」と言われます(笑)

――長所と短所だと思うところを教えてください。

長所は…ないと思います。動揺しているとすぐに表情や動きに出るので、まわりからは「わかりやすい」とよく言われます(笑)。

――短所や弱点は?

短所というわけではないのですが、太りにくいことがコンプレックスです。体力はあるほうですが、どんなに食べてもまったく太らないんです。

歌舞伎ではわりと大がかりな衣裳を着ることが多く、そんなときは中に綿の入った着肉というもので内側をモコモコにするのですが、衣裳をより美しく見せるためには、やはりある程度の体格が必要で。

つい先日まで香川で公演をやっていまして、ここから先1ヵ月は舞台への出演がないので、その間にトレーニングをして、少しでも体を大きくしようと考えています。

――ご自身にとっては“悩み”でも、羨ましがられることもあるのでは?

「太れない」というとかなり羨ましがられるんですけど、こちらにしてみたら「何が羨ましいんだろうって…(苦笑)。大きな衣裳ではなくても、着物は洋服のように体のラインにそった仕立てになっているわけではないので、ある程度、体格がよくないと造形の美しさをきれいにお見せすることができないんです。

がっしりした役柄もそうですし、特に女形では丸みがないと女性としての柔らかさが出ないので、今は少しでも体を大きくすることが目標です。

日焼け願望あり!「鬼平犯科帳」撮影期間中は日焼けサロンへ

――染五郎さんは「妖艶」や「セクシー」と形容されることが多いと思いますが、そういった声をどう受けとめていますか?

自分を美しいと思ったことはないので、美しさを保とうとも思っていませんし、逆にいえば、今の自分を保ちたくない、どんどん変化していく自分を楽しみたいという思いがあります。どこか自分を俯瞰で見ているところがあって、これから先どんなふうに変わっていくのか、その成長、変化を楽しみたいですね。

――白い肌が印象的ですが、普段のスキンケアや美の秘訣について聞かせてください。

公演が続くと、化粧品が合っていないのかどうしても肌が荒れてしまうんです。普段はメイクさんにおまかせで、スキンケア用品などを自分で選ぶということはありません。

美白をキープするというより、正直いうと日焼けがしたい。「鬼平犯科帳」の撮影期間は銕三郎の佇まいを表現するために日焼けサロンへ行きましたし、僕としてはあの肌色をずっと維持したいと思っているくらいです。

撮影:今井裕治

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