「日本の政治家に原発の汚水を」都内の中国系スーパーの“人気ティー”に 一部から称賛も…批判相次ぎ、株価下落

東京都内の中国系スーパーで撮影されたとみられる写真が今、物議を醸している。
理由は、飲み物のカバーにあった。

「日本の政治家に原発の汚水を飲ませろ」

福島第一原発から出た処理水の海洋放出を、中国語と日本語で批判。

「日本の政治家に、原発の汚水を飲ませろ」
ほかにも…「海は日本の下水ではない」、「日本がなくても大丈夫 海なくして」
“反日感情”をあおる複数の文言が確認できた。

この商品は、中国の有名飲料メーカーが製造する人気のフルーツティー。

5月6日ごろ、中国のSNSでこの画像が拡散。
一部から称賛の声が上がった。
「買いに行く! 絶対支持する!」

中国メディアによると、この飲料メーカーが行ったネットでのライブ販売では、1日の売り上げが、2500元から100万元へと、400倍に急増。
日本円にすると、約5万5000円から2200万円に増えたことになる。

記者リポート:
こちらに商品が並んでいますが、日本の処理水を批判するようなコメントはありません。

中国・北京のスーパーに並ぶ商品に、あのカバーはついてなかった。

なぜ、日本では批判コメント入りのカバーをつけていたのだろうか。
地元メディアによると、メーカー側は、“社員個人がしたことで、会社の公式行為ではない”と、回答したという。

一方、会社の社長は大喜び。

会社の社長:
この2日間で会社への注目度が増し、アクセスランキングにも入りました。ネット上では皆さんに大きな支持を受け、私はとても感激しています。

カバーをつけた社員に対して、「10万元(220万円)のボーナスを与える」とも発言したという。

さらに翌日、社員が日本から帰国すると、「勇者帰還」と書かれた横断幕で歓迎していた。

批判の声も相次ぎ、株価も下落

しかし、反日をビジネスに取り入れる手法には、批判の声も相次いでいる。

北京市民:
国のためなら、こんなことはしない方がいい。このような行為で注目を集めることは、逆効果になる。愛国商法は長続きしない。

また、一度は上昇したメーカーの株価も、あっという間に下落した。

批判の声について聞こうと、メーカーに電話取材を試みたところ…

電話「電話が混みあっています」

何度かけても、つながらなかった。

地元メディアによると、メーカーは問題のカバーをつけた商品の販売取りやめを発表した。
(「イット!」 5月10日放送より)

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