「あぁ、こんな格好で…」ハンサム上司との不倫。背徳的な情事に溺れた女性の末路は【エリート銀行員たちの不倫事情】後編

「家で居場所がない」と感じるスミレさん(仮名・40歳)。同じメガバンクで働く上司のマサオさん(仮名・45歳)との一夜が忘れられません。彼女はついに行動を起こしますが……衝撃の後編をご紹介します。

彼女はFacebookで、マサオさんの名前を検索しました。そして…次ページ

スミレさんは「さみしいです、もうダメかもしれない」とメッセージを送りました。返事はなく、送信したことを後悔して、翌朝は出社します。しかし、その日はいつもと違いました。彼女がお昼を取るために席を立つと、彼も立ち上がる気配を見せました。

「彼は食堂で、私の隣に座ってきてくれました。嬉しかったです。もし彼が遠くに座ったら、あのメッセージは消そうと思っていました」

『西麻布に、会員制のお寿司屋さんができましたね』と彼女は彼に言いました。『今度、行きませんか? 頑張って予約取ります』と言うと、彼の目が光りました。この男性は思ったほど弱くもなく、それなりに場数を踏んでいる。そう感じさせる瞳でした。

『何かを勘違いしてるのかもしれませんが、僕はグルメじゃないですよ』と彼は言います。『貴女が寿司に目がないことを知っていて、あの店を予約したんです』。彼は言葉を続けました。『食事より、もっと良いことをしましょう。僕が場所を押さえておきます』と彼は有無を言わさぬ口調で、彼女に言いました。

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「もっと良いこと」とは…。指定された場所へ行ってみると

「指定された場所へ行ってみると、そこはマンションの一室でした。感じのいい部屋で、インテリアはどこかビクトリア朝を思わせました」

スミレさんは、違和感を覚えました。そこは明らかに、一人暮らし用の部屋なのです。「ここに住んでいるんですか?」と聞くと、マサオさんは『もちろん違います』と応えます。『それどころか、僕の家でもないです』

彼女が言葉の意味を理解する前に、老齢の男性が現れました。『さっさと始めてくれないか?』と老人は言います。『分かっていますよ』とマサオさんはとため息まじりに答えました。そして彼女の手を優しく引いて『さ、寝室へ行きましょう。あの日の続きをするために』と言ったのです。

「あそこで逃げ出すべきでした。でも、薔薇の花弁のようなベッドは、あまりにも寝心地が良さそうでした。それに彼の欲求を拒んで、一人になるのは嫌だったんです」

二人は寝室に行き、絡み合いました。

ペッティングをしている中で、彼女はある視線を感じました。ドアの隙間から、あの老人が覗いていたのです。

彼女が小さく悲鳴をあげると、マサオさんは歪んだ笑みを浮かべました。『僕の性癖、言ってなかったですよね。誰かに見られていると、興奮するんです』。

彼女が上げようとした非難の声は、快楽の渦に飲まれて消え、そのまま二人同時に果ててしまいました。

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二人の末路は

「行為を終えた後、リビングでは3人でお茶を飲むという異様な光景が広がっていました」

老人はマサオさんに封筒を渡します。それが札束であることくらい、スミレさんにも分かりました。マサオさんは万札を何枚か、彼女に手渡しました。「なるほど、そういうビジネスね」と彼女は合点がいきました。老人は見るのが好き、上司は見られるのが好き。世の中はうまく成り立っているのだと。

「完璧に見える男性でも、とんでもない性癖を持っていたりするんですね。それなら家でバカみたいに球を追いかけている夫の方が、まだ無害でいいかな」

あれ以来、マサオさんとは関係を結んでいないと言います。

「男性に慰めてもらう道は、もう諦めました。臨時収入も入ったし、有給を取って、女友達とアフタヌーンティーに行くつもりです。私は一人だし、家庭に居場所なんてない。それを抱えながら、楽しい予定を入れて、自分を誤魔化しつつ、生きていくしかないんですよね」

力強く語るスミレさんには、かつての悲壮感はなく、凛とした女性の魅力で輝いていました。

<文/綾部まと>

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