U-23アジア杯優勝メンバー3人のパフォーマンスチェック。FC東京対柏戦で先発した松木玖生、関根大輝、細谷真大の評価は?

2024年5月11日、味の素スタジアムで開催されたFC東京と柏レイソルの一戦に先発出場したU-23アジアカップ優勝メンバーは3人(FC東京の荒木遼太郎と野澤大志ブランドンはメンバー外)。FC東京の松木玖生、柏の関根大輝と細谷真大だった。

U-23アジアカップ後、それぞれクラブに戻って初めてスタメン出場した3人のパフォーマンスはどうだったか。

もっとも輝いたのは松木だろう。「相当気合いが入っていた」と本人が話したとおり、4-2-3-1システムのボランチを任されると、高宇洋とのパスワークからリズムを作り、積極的な縦パスで好機を演出するなど力強いプレーを披露。波多野豪の退場で10人になって以降もボールに絡み、チャンスを窺う姿は頼もしく映った。

そして何より37分のスーパーゴラッソである。CKの流れからふわりと浮いたボールをエリア外から左足のダイレクトボレーで叩き込んだシュートは技術点、印象点とも満点。文字通りパーフェクトな一撃だった。

一方で物足りなさを感じたのは細谷。4-4-2システムのFWを担ったが、残念ながら無得点。前線からの守備はきいていたが(FC東京の波多野豪が退場したきっかけとなったのも彼のハイプレス)、やはり得点がなかったのは気になる。実際、細谷自身も試合後に悔しさをにじませていた。

「(波多野が退場したシーンでは)最低限の仕事ができました。ただ、ゴールがない。相手がひとり少ない中で自分が点を取らないと意味がない」

細谷と同じく、関根のパフォーマンスもいまひとつだった。右サイドバックとしてFC東京の俵積田晃太とマッチアップする場面もあったが、なかなか自分の間合いに引き込めず劣勢を強いられた。本人も試合後に「全然良くなかったです」と反省していた。

「集中して入ったつもりがサイドでの1対1でシンプルに後手に回ってしまいました。試合で使ってもらっている以上、コンディションは言い訳にならないです」

時差ぼけもおそらくある状況下で一定のパフォーマンスを発揮するのは難しいだろう。そう考えると、この日の松木の活躍は称賛に値したと言っても大袈裟ではない。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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