福士蒼汰「役者としての芽をバッと出してくれた」24歳の経験「当時分からなかったことが、“今分かるかもしれない”」

福士蒼汰 撮影/三浦龍司 メイク:矢澤睦美(wani)、スタイリスト:髙橋美咲(Sadalsuud)

俳優・福士蒼汰は2011年、『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)でテレビドラマに初主演、世間にその名を広く知られることとなった。さらに’13年には大反響を呼んだNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で、ヒロインが一目惚れする高校の先輩を演じ、その人気を不動のものとする。彼にとって、生き方が変わることとなった変化「THE CHANGE」とはいったいなんだったのだろうか。【第2回/全4回】

’11年に俳優デビューを果たしてから現在にいたるまで、さまざまな作品に引っ張りだこの福士蒼汰さんが、仕事とプライベートを切り替えるスイッチとして何かしていることはあるのだろうか。

「それは逆にしないようにしているんです。いかなる状況でもパっとお芝居ができるようにしていたいんですよね。今回の映画で浅野忠信さんと共演させていただき、まさに僕が目指すべき方だなと感じました。直前までお話しされていても、お芝居にすっと入られて、すっと終わられる。

良い意味で準備をしない、スイッチを入れない。だから常にオンといえばオンだし、常にオフといえばオフという、永久機関のような感じなんですよね。そういう風にずっとエネルギーが回ってるような状況が理想かなと思っています」

『ちょっと今から仕事やめてくる』でのお芝居

直近ではNHKで放送されたドラマ『大奥』への出演や、『弁護士ソドム』(テレビ東京系)、『アイのない恋人たち』(テレビ朝日系)での主演など大活躍の福士さん。いままで出演した作品のなかで「自分が変わった」と感じた経験はあったのだろうか?

「いろんな側面で変化を経験したと思うのですが、『湖の女たち』と感覚的に同じだなと思うのが『ちょっと今から仕事やめてくる』という映画で成島出監督とご一緒したときの経験です。

当時、24歳くらいだったのですが、その頃の僕は成島監督から受けた演出をきちんと理解し切れなくて。教えていただいたことをとにかく実践してみる、という状況だったのですが、実は今回、大森監督にも同じようなことを教わったと気づいたんですよね。

当時分からなかったことが、“今分かるかもしれない”と思って。そういう意味でいうとそのときの感覚というものは、成島さんがいろんな肥料を与えてくれて、役者としての芽をバッと出してくれたような。

そんな感覚が『ちょっと今から~』にはありました。自分自身では、お芝居を自分の意図でできていたとは思っていないので少し悔しい面もありますが、自分の中ではまた成島監督とお仕事をしたいと感じた作品です」

「最初はその意味が掴めなかった」大森立嗣監督の演出

福士蒼汰 撮影/三浦龍司

福士さんは、今作の公式サイトに“役者人生のターニングポイントになる作品”というコメントを寄せている。福士さんにとって『湖の女たち』で演じた濱中圭介という役のどういったところがターニングポイントとなったのだろうか?

「やはり大森立嗣監督の演出を受けたというところですね。大森監督から、“自分の心から思ったタイミングでお芝居をすることを心がけてほしい”と演出を受けたのですが、最初はその意味が掴めなかったんです。でも撮影をしていく中で、何か掴めてきたような感覚が徐々に出てきて、それを監督も感じてくださったように思います。

今作の撮影が終わり、他の作品でもこの時に培った感覚のまま演じていると、周囲の人からも“変わったね”と言われることが増えたんです。それはやはり、自分自身ではあまりわかっていなかった“その人物を演じることの根本”のようなものを、大森監督が演出を通して自分に教えてくださったということだったと思うんです。これは自分にとってエポックメイキングな瞬間だったというのを感じています」

挑戦的な役柄に挑むことを決断し、自分の心から湧き出てくるものを信じて演じたことで、福士さんは役者として大きく飛躍する変化「THE CHANGE」を得られたのかもしれない。

ふくし・そうた
1993年5月30日、東京都生まれ。’11年にデビューして以来、数々のドラマや映画などで活躍。近年の主な出演作には、ドラマ『大奥シーズン1、2』、『弁護士ソドム』、『アイのない恋人たち』など。昨年Huluオリジナル『THE HEAD Season2』では、念願の海外進出を果たした。また、WOWOW『アクターズ・ショート・フィルム』では、初監督作品『イツキトミワ』を手掛けた。5月7日から公開の映画『湖の女たち』では、いままでにないダークなイメージのキャラクターにも挑戦している。

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