川崎に完敗で最下位の札幌。苦しい状況も選手を労うミシャは「責任は私に向ければいい」

[J1第13節]川崎 3-0 札幌/5月11日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

12試合を終えてリーグ戦ではわずか1勝。最下位に沈んでいた札幌は13節にアウェーで川崎と対戦したが、0-3で敗れた。

序盤はCF鈴木武蔵らを中心にチャンスを作るも、前半のうちに川崎FWバフェティンビ・ゴミスにJリーグ初ゴールを含むハットトリックを許し、完敗を喫した形だ。

試合後の監督会見、質疑応答の時間は取らずに約8分、言葉を紡いだのはミシャこと、ペトロヴィッチ監督だった。

「前半、非常に良い入りができ、自分たちがゲームの主導権を握れていたと思いますし、相手になかなかチャンスらしいチャンスというのを与えないなかでゲームを進めることができたと感じています。

ただそのなかで、立ち上がり、前半20分くらいまでにあったチャンスを1点、2点、3点決めていれば、試合はまた違った展開になったのではないかと思いますが、逆に少ないチャンスをものにしたのが川崎であったと。我々札幌にないものがあったのが、今日の川崎だったと感じます」

そして「気を付けなければいけない部分でやられてしまったことは非常に悔しい」と試合を振り返った指揮官だが、選手たちの姿勢は評価した。

「リスクを負って攻めるなかで相手のカウンターを受けて4点目の失点をする、5点目の失点をするという展開になっても十分におかしくない展開でしたが、選手たちはしっかりコントロールしながら、リスクを負って攻撃するということもしながら、もちろんカウンターを受けて危険なシーンは作られましたが、崩れることなく、最後まで規律を持ちながら自分たちの狙いとする戦いを見せてくれたと思います。

もちろん(キム・)ゴンヒ選手だったり、他の選手も含めて後半も得点になってもおかしくないチャンスというのは何回か作れていたと思いますし、そういうなかでもちろん後半の入りの早い時間に1点取れていれば、試合ももう少し違う展開になったはずです。

川崎も選手を入れ替えてより我々の圧を受けながらもカウンターから得点を奪うことを狙っていたと思いますが、選手たちはよくそこを我慢しながらゲームを進めてくれましたし、しっかりと相手の攻撃、プレッシングをしながら相手のボールを奪って、自分たちが得点を奪いに行くというところはしっかり見せてくれていたんじゃないかと感じます」

【動画】川崎×札幌のハイライト!!
そのうえで、現状の責任は監督にあるべきだと説明した。

「今日3-0という結果で敗れましたが、私自身は選手たちもよく戦ってくれたと感じていますし、この敗れたという結果に対して、そして今最下位にいるという結果に対して、やはり監督である私にもちろん責任があると思っています」

そして改めて選手を労った。

「本当によく戦ってくれた選手を褒めてあげたいと思いますし、結果に対する責任は常に監督にあり、その責任は私に向ければいいと思いまし、ただ、選手たちは自分たちのやっていること、プレーに自信を失ってほしくないです。しっかりと前を向いて次に向かっていくファイティングポーズを取ってほしいなと思います。もう一度言いますが、結果、今の状況にあるのは監督の責任。監督とは常に結果に対して責任があるものだと思います」

選手たちと強い絆を築き、これまで魅力的なサッカーを見せてきたペトロヴィッチ監督。ここから札幌を立て直せるのか、注目だ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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