その目の疲れは老眼のサインかも? 目のいい人は絶対しない「目を老化させる」NG習慣4つ

By FYTTE 編集部

スマートフォンやタブレットなど近くのものを見る時間が長くなり、老眼になる年齢が年々下がっているといいます。40歳以降は目の老化をできるだけ遅くすることが目の健康を保つ秘訣。今回は、目の総合健康企業・わかさ生活の角谷建耀知社長の著書『歳をとっても目が悪くならない人がやっていること』(著/角谷建耀知、監修/医学博士・森下清文)から、目の老化を悪化させてしまうNG習慣について見ていきましょう。

老眼が出たら目のケアを

目の老化と聞いて、ほとんどの人が老眼を思い浮かべることでしょう。老眼は白髪と同じように40歳を過ぎれば誰にでも訪れます。

では、具体的に目に何が起きているのかというと、ものを見るときに水晶体が薄くなったり厚くなったりすることで、遠くにピントを合わせたり、近くにピント合わせたりすることができるのですが、この水晶体と水晶体の厚さを調整する筋肉の毛様体筋の2つに機能低下が起こっています。

「水晶体は若い頃は非常に弾力があり、簡単に厚さの調節をすることができますが、年齢とともにかたくなり、弾力性が低下していきます。毛様体筋も体の筋肉と同様に加齢とともに衰えていきます。それが老眼の原因なのです」(角谷社長)

以下は老眼のサインです。

●手元の小さな文字が見えづらくなる
●夕方になるとものが見えづらくなる
●暗い場所へ行くと見えづらくなる
●夕方になるとすごく目が疲れる
●夕方になると目がかすむ

「老眼は“そろそろ老化が始まっていますよ”、“しっかりいたわって大切にしましょう”というサインだと思ってください。老眼になってからの対応がその後の健康寿命を伸ばせるかどうかの分かれ道です。老眼の症状をガマンして生活していると、やがて目が疲れやすくなったり、乾くようになったり、肩こりや頭痛など体全体に影響が及ぶようになります」

目の老化を悪化させるNG習慣

1.老眼鏡嫌い
老眼鏡をかけると、かたくなってきている水晶体や毛様体筋に負担をかけなくても、ラクに見ることができます。「老眼鏡を使い始めると、老眼の進行が速くなる」というのは間違った俗説です。老眼鏡を使わずにがんばってピントを合わせようとすると、目が疲れて逆に進行を早める危険があります。また老化が進んでから老眼鏡を使うと、ゆがみが大きくなって慣れるまでに見えにくく、つまずいたり転んだりすることもあるでしょう。「ちょっと近くが見づらくなってきたなぁ」と感じたら、すぐに老眼鏡をかけ始めて、進行に合わせてレンズの度を調整していくのがオススメです。

2.目の疲れを放置
目が疲れやすくなるのも老化による症状のひとつ。その疲れが目だけでなく体にまで現れるようになるのが眼精疲労です。目が疲れただけなら目を休めたり、十分な睡眠をとったりすると回復しますが、眼精疲労は休息をとってもなかなか回復しないという決定的な違いがあります。眼精疲労から肩こりや頭痛、めまいが起きるだけでなく、吐き気やお腹の状態が悪くなったり、だるさを感じるようになったり、何をするにもやる気が起きなくなったりすることもあります。
このように眼精疲労は目が疲れを感じるだけでは終わらないのです。

3.間違った目のケア
目の疲れを感じたら、まずやるべきことは目を休ませること。米国眼科学会議では目を休ませる方法として「20―20―20」ルールを推奨しています。「連続して20分デジタル端末画面を見たり、画面の文章を読んだりしたあとは、20フィート(約6m)離れたところを20秒眺める」というルールです。これによって眼精疲労が改善することも報告されています。目の疲れに対して行いがちな、冷やす、まぶたを強く刺激するなどの眼球マッサージ、市販の目薬を常用するのは間違ったケアです。

4.眼球体操
目の老化の原因のひとつは、ピント調節に欠かせない毛様体筋が衰えること。この毛様体筋の衰えを防ぐために、眼球をゴロゴロ動かす眼球体操というものがあります。たしかに毛様体筋を鍛えると強くなりますが、細かいパーツで構成されている精密機械のような目の筋肉を、一般的な筋トレのように鍛えるというわけにはいかないというのが眼科医の見解です。眼球を左右に勢いよく動かしたり、ぐるぐる回したりする眼球体操はとても危険な行為。特に近視の強い人は硝子体と網膜のくっつきが弱い部分があり、眼球を動かすことでその部分に刺激が加わり、裂孔(れっこう/穴があいた状態)ができることがあります。安全に毛様体筋を鍛えるには、遠くや近くを見たりする程度で十分。それが正しい目の筋トレです。

ちなみに近視の人は老眼になりにくいとよくいわれますが、これも俗説だそう。特に近視で眼鏡の人は老眼を感じにくいだけのようです。「手元が見えづらい」以外の老眼の症状は出ているはずなので、過信せず、目を休ませるケアを習慣化していきましょう。

文/庄司真紀

参考書籍/

『歳をとっても目が悪くならない人がやっていること』(アスコム)

著者/角谷建耀知
かくたに・けんいち 株式会社わかさ生活 代表取締役社長。18歳の時、脳腫瘍の大手術を受け、命と引き換えに視野の半分を失う。自身の経験から、自分のように目で困っている人の役に立ちたいとの想いで、1998年に株式会社わかさ生活を創業。目の健康サプリブルーベリーアイが大ヒット。多数の企業や眼科医と連携して、商品の開発・情報発信を行っている。近著『長生きでも脳が老けない人の習慣』は累計2万部突破と好調。

監修/森下清文
もりした・せいぶん 医療法人森下眼科理事長・医学博士。大阪医科薬科大学で研鑽。同大学の講師となり白内障、緑内障、眼底出血などの診療と研究に従事。1991年に大阪市北区で森下眼科を開業して地域社会での診療に取り組む一方、1992年4月から「市民健康講座 目の勉強会」をスタートさせ、地域だけでなく全国各地で啓発活動を行っている。

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