市川染五郎 初めての悪役に快感! 「もっともっと大きくなって、将来は“高麗屋スピリッツ”を体現できる存在に」

10代とは思えない妖艶さが評判の市川染五郎さん。歌舞伎作品はもちろん、映画『レジェンド&バタフライ』(2023年)に森蘭丸役で出演するなど、幅広い活動で人気急上昇中です。

【写真6枚】追いかけるべき存在は祖父・松本白鸚

最新作は、父・松本幸四郎さんと同一人物の現在と過去を演じていることが話題の、劇場版「鬼平犯科帳 血闘」。主人公の長谷川平蔵が“本所の銕(てつ)”と呼ばれていた放蕩無頼な青春時代を瑞々しく演じています。

めざましmediaでは染五郎さんにインタビュー。気になるプライベートや20代を前にした心境、さらに、尊敬する存在や歌舞伎俳優としてのビジョンを聞きました。(全3回の3回目/1回、2回を読む)

<市川染五郎 インタビュー>

――休日の過ごし方を教えてください。

ゲームが好きなのでゲームをしたり、運転免許を取得したので、行くあてもなくドライブをしたりしています。免許をとってからはどこへ移動するにしてもほぼ自分の運転で、あまり趣味のない僕ですが、しいて挙げるとしたら現在の趣味は運転をすることです。

――車内ではどんなふうに過ごしていますか?

洋楽を流しっぱなしにして、いろいろ聴いています。本格的な知識はありませんが、ジャズをランダムで聴くことが多いです。

――同世代の市川團子さんは大のK-POP好きだそうですが、染五郎さんも聴くことはありますか?

妹はK-POPが好きでよく聴いていますが、僕は全然ですね。

『バットマン』のジョーカーに共感!?歌舞伎との共通点も

―今、ハマっているものやマイブームがあれば聞かせてください。

小さいころから、映画『バットマン』に登場する悪役のジョーカーが好きで、ホアキン・フェニックスが主演した最新作(『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』)が今年、公開される予定なので、それを楽しみに待っているところです。時間を見つけてはジョーカー関連のことを調べるなど、ジョーカーのとりこです。

――ヒーローのバットマンではなく、ジョーカーに惹かれるのはどうしてですか?

最初に見たのが、ヒース・レジャーがジョーカーを演じた作品(『ダークナイト』)で、あのインパクトが強烈だったんです。もともと、サーカスやピエロがもつ、表向きは明るくて陽気なんだけど、どこか怖さもあるというような雰囲気が好きで。白塗りという歌舞伎との共通点も関係しているのかもしれません。

――ダークヒーローに憧れがあるとか?

歌舞伎でもそうなのですが、演じるのも悪役のほうが好きです。2月の博多座ではほぼ初めての悪役を演じさせていただきまして、こういう役柄を今後も演じていきたいと思いました。今回の「鬼平犯科帳 血闘」で演じた銕三郎は悪役ではないですが、かなりヤンチャで危なっかしい役柄でしたので、やっていて楽しかったです。

一番の憧れは祖父、ミュージカルへの出演は「神のみぞ知る」

――3月に19歳の誕生日を迎え、10代最後の年になりましたが、20歳を前にした心境を聞かせてください。

普段から年齢を気にするほうではないので、20代に突入するからと特にワクワクすることもないですし、10代のうちに必ずやっておきたいこともありません。とにかく今は、自分にできることを精一杯やるだけ。

技術を向上させることや役者としてのレベルを上げることは自分の努力しだいでいつでもできるものなので、特に年齢で区切って「何歳までにこれをやり遂げる」というのではなく、すぐにでもできるようになるには今、頑張るしかないというのが個人的な考えです。

――尊敬するのはどなたですか?

父ももちろんそうですが、ひとりだけ選ぶとしたら祖父の松本白鸚です。祖父や父がやってきたことをなぞるような役者にはなりたくないですけど、祖父はやはり役者として一番の憧れ。祖父と父が作ってきた道を歩みつつ、高麗屋らしいことをやっていきたいです。

もっともっと大きくなり、自分という人間を通して“高麗屋スピリッツ”を体現したいと考えているので、そういう意味では祖父が一番追いかけるべき存在ですね。

――白鸚さんが長年『ラ・マンチャの男』に出演していたように、ミュージカルへの出演願望はありますか?

興味がないことはありません。これに関しては自分が言うものではなく、神のみぞ知る、ですので。お話があればぜひやってみたいです。

撮影:今井裕治

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