ドラフト7巡目指名に父は憤慨も、チャージャーズ加入を「不幸中の幸い」と捉えるWRライス

ロサンゼルス・チャージャーズのブレンデン・ライス【AP Photo/Mark J. Terrill】

ロサンゼルス・チャージャーズがルーキーミニキャンプを開始したことで、新人ワイドレシーバー(WR)ブレンデン・ライスは本格的にNFLでの旅路を歩み始めた。しかし、ライスは2024年NFLドラフトで順位を落とすという予想外の事態を経験した後にチャージャーズにたどり着いている。

現地10日(金)、ライスはドラフトで自分の名前が呼ばれるまで7巡目まで待たなければならなかったことを、殿堂入りした元WRである父親のジェリー・ライスはあまり喜んでいなかったと明かした。

チーム公式記録によると、ライスは笑いながら「父はカッとなっていた」と報道陣に話したという。「父が最初に言った言葉は“仕事に行く時間だ”だった。彼は“あらゆる段階でお前と一緒にいる”とか“これからはすべてのワークアウトに参加する。私たちは多くの人が間違っていることを証明しなければならないし、その先にはたくさんのチームがいる”と言った。とんでもないストーリーになりそうだし、俺が言いたいのはそれだけだ」

ヘッドコーチ(HC)のジム・ハーボーは金曜日、チャージャーズはライスがドラフト3巡目あるいは4巡目で指名される選手だと評価していたと明言。2024年NFLドラフトの全体225位でライスを指名することは「考えるまでもないこと」だったと説明している。

ライスは南カリフォルニア大学(USC)での最終シーズンにレシーブ数(45回)とレシーブヤード(791ヤード)、タッチダウン数(12回)で自己最高記録を残した。「もどかしい」ドラフトプロセスだったと振り返った一方で、たどり着いたチームを考慮した上で、運命的な7巡目指名を「不幸中の幸い」だったと捉えているライスは、次のようにコメントした。

「俺は前に進み、自分の足跡を残し、レガシーを築くのに、可能な限り最高のポジションにいる。(クオーターバック/QBが)ケイレブ・ウィリアムズからジャスティン・ハーバートに変わり、毎日、競い合うことができる環境にいる。すべてが自分にかかっている。この秋、俺が出るところを見てもらえなかったら、それは自分の責任だ。俺が出るところを見てもらえるなら、最初からベストを尽くして試合で結果を出すために必要な仕事をする」

ライスはオフシーズンにキーナン・アレンとマイク・ウィリアムスが退団したことで層が薄くなったWR陣に加わる。スーパースターのクオーターバックであるハーバートが指揮を執る中で、ジョシュ・パーマーやD.J.チャーク、クエンティン・ジョンストン、デリウス・デイビス、シミ・フェホコといった若手ぞろいのWR陣には多くのチャンスがあると言えよう。ドラフト2巡目指名を受けた新人WRラッド・マコンキーもまた、出場機会をかけて争うことになる。

ほとんどのNFL選手と違い、ライスは史上最高の選手、特にワイドレシーバーの息子として、非常に高いレベルの比較対象に向き合わなければならない。そのような見方が不公平であるとしても、22歳のライスはそれを冷静に、1年ずつ着実に受け止めようとしている。

現時点で父との差はどれくらいかと質問されたライスは「NFLでのルーキーシーズンでは互角なんじゃないかと感じている」と返答。「俺の方が速いし、父のNFLでのルーキーシーズンは良くなかったと聞いたことがある。俺が上に行かないと」

1985年ドラフト1巡目でサンフランシスコ・49ersから指名を受けたジェリー・ライスは、ルーキーシーズンにレシーブ49回、927ヤード、タッチダウン3回を記録。これは、十分な出場機会がある1年目のWRにとっては達成可能な数字だ。

ブレンデン・ライスは新人として、交代で選手を起用するチャージャーズでポジション争いに加われる自信が「間違いなく」あると話している。出場機会を勝ち取ることができれば、4月のドラフトで順位を落としたことは無効になるだろう。

「仕事に対する姿勢が、自分を際立たせることになる」と強調したライスは「うちには素晴らしい選手がたくさんいる。いろんな種類の体型やプレーの型を持つ選手がいる。でも、毎日小さなことをやり続けて、実力を証明し、プレーブックを熟知して、油断をせずにちょっとしたことをやり続けることができたら、俺はここで自分を際立たせ続けられると思う」と続けた。

【RA】

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