『Hades II』はSteam Deckで驚くほど快適に動作!ほんの少しバッテリーを伸ばす方法も紹介【プレイレポ】

『Hades II』はSteam Deckで驚くほど快適に動作!ほんの少しバッテリーを伸ばす方法も紹介【プレイレポ】

2024年5月7日、前触れもなく早期アクセスでリリースされた『Hades II』。前作にあたるローグライトACTの初代『Hades』は「2021 BAFTA Games Awards」の「BEST GAME」など様々な賞を獲得しており、本作も記事執筆時点でSteamレビュー「圧倒的に好評」かつ配信翌日に最大同時接続プレイヤー数が約10万人になるなど、その人気ぶりがうかがえます。

筆者個人は初代を含め未経験なものの、以前から興味を持っていたため今回を機に『Hades II』をプレイ。ゲームのメカニクス等には造詣は深くありませんが、携帯ゲーミングPC「Steam Deck」との互換性という観点からレポート、少しだけバッテリー駆動時間を延ばす方法も紹介していきます。

動作を検証する都合上、記事掲載のスクリーンショットにはゲーム序盤の内容を含むほか、動作環境の違いやデバイスの個体差により、お手元のSteam Deckでのパフォーマンスと掲載されているデータに差異が生じる可能性もあるため、ご注意ください。

また検証時の動作環境についても事前に述べていきます。Steam DeckはLCDディスプレイの256GBモデルかつ冷却ファンがDelta Electronics製、購入から1年以上経っており、バッテリーの健康状態はデスクトップモード時で100%、OSはバージョン3.5.19、使用したProtonのバージョンは9.0-1、画面の明るさは3分の1程度、『Hades II』はバージョン0.90373となっています(※記事冒頭、TDP制限に関する説明、記事最後のスクリーンショットはv0.90437で撮影)。

公式での互換性は?Steam Deckで『Hades II』をプレイ

まず、『Hades II』は配信翌日の時点でSteam Deck開発・発売元のValveより互換性が確認されており、ゲームは「完全に機能し、内蔵のコントロールとディスプレイで快適に動作します」と判定されています。

しかし、「快適」の基準は明確には示されていないほか、『Remnant 2』のように、一度互換性が確認されたタイトルが「非対応」判定に変更されるケースも存在するため、デバイスでのパフォーマンス情報をより詳細に、確実に得るには実際に検証することは避けられません。

それでは早速、本作のSteam Deck対応状況を見ていきましょう。解像度は1280x800とSteam Deckの16:10比率のディスプレイをサポートし、デフォルトの映像品質は“高”となっています。

一方、文字の大きさについてSteamストアページで“「ゲーム内のインターフェイステキスト」は判読可能”と記載されていたものの、扉やアイテム前で画面下部に表示される「ボタン&文字」指示がディスプレイに対して小さめ。画面のベゼルが狭く、表示サイズの大き目なOLED版Steam Deckであれば問題ない可能性もありますが、少なくともLCD版では“顔に近づけて遊ばないと見にくい”と感じました。

次にゲームプレイ中のパフォーマンスですが、フレームレートは60fpsで固定されており、消費電力は7~8W程度のため、Steam Deckのバッテリー仕様を考えると、充電満タン時には最大約5時間は遊び続けられるでしょう。GPUならびにCPUの温度はプレイ開始から30分程度でも60度弱となっており、しばらく遊び続けても問題は無さそうです。

上記デフォルトの設定で最初のボス戦+次ステージの序盤までプレイしましたが、終始デバイスへの負荷がほとんど変わらず、fpsも安定。“Steamで発売されているゲームの中でも、かなり最適化されている方”ではないかと感じました。

少しでも長く遊びたい?消費電力を減らす方法を紹介

ここまではデフォルトの設定でのパフォーマンスについて見ていきましたが、ここからは消費電力を抑える方法をご紹介します。本作は前述のとおり、元より“かなり最適化されている”ため僅かな改善に留まるほか、実行は自己責任でお願いします。

最初にSteam Deck本体の右トラックパッド下の「・・・」と印字されている、クイックアクセスボタンを押します。バッテリーの形をしたアイコンに移動すると、パフォーマンスという項目が現れるので、その中の「サーマルパワー(TDP)制限」という小項目を有効化してください。

ここでワット数を5に変更し、プロセッサーの消費電力ならびに総消費電力を制限します。これで、グラフィック設定を“高”にしたまま60fps安定で消費電力を抑えることが可能です。更に抑える場合は、グラフィック設定を“低”にすれば、設定のワット数を4まで下げられます。

なお、これらの環境での消費電力はおおよそ7~7.5Wとなっており、バッテリー駆動時間で考えると、デフォルトより30分長い程度です。これを長いと捉えるか、短いと捉えるかは個人差となりますが、“バッテリーが少なくなってきたのに充電できない”“少しでもいいから長く遊びたい”といった方にはオススメします。


本プレイレポートは以上となります。Steam Deckは公式サイトで「最新のAAAタイトルの実行にも十分なパワーを発揮します」と謳われているものの、デバイスが初登場した2022年と比べると、“実行だけで精一杯”なAAAタイトルもそれなりに登場しています。

そんな中で特別な設定が無くともスムーズに長時間プレイでき、ゲームとしてのクオリティも高い『Hades II』は、ジャンルに抵抗が無ければSteam Deck所持者に自信をもって薦められる一作です。筆者も今回のプレイで本作の楽しさに気づいたため、今後はクリアを目指して遊んでいきます。

なお、ユーザーがSteam Deckでの動作環境などをレポートできるサイトProtonDBでは、本作について「起動しない」「クラッシュした」といった報告も上がっているので、同様の現象が起きた場合は、Valve公式のトラブルシューティングをご参考ください。

『Hades II』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)向けに早期アクセス中です。

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