「当選者はどこに?」今では超レア化!? ファミコンソフト伝説の「抽選で当たる豪華景品」の数々

ファミコン『キャプテン翼』(ふたまん+編集部撮影)

ファミコン時代に小学生だった筆者は、「懸賞」に憧れを抱いていたものだった。“抽選で当たる”ということにとてつもないワクワクを感じ、ハガキに拙い字で一生懸命書いて送った。

さて、当時のファミコンソフトの中には、説明書の最後に「アンケートやネタを募集する企画」があり、オリジナルテレホンカードをはじめとしたプレゼントを紹介していたものもあった。そこで、筆者が自分でも応募した、景品(テレカ以外)を扱っていたゲームを振り返ってみたい。

■『影の伝説』ゲームよりも気になった…! 大当たりの「おしゃべり霧姫」

まずは、1986年にタイトーから発売された『影の伝説』だ。伊賀の里の主人公・影がさらわれた霧姫を救い出すべく、単身で魔性の者たちに戦いを挑む。

これがなかなか面白いゲームだった。ジャンプ力が凄まじく、木にも登れる。影は刀と手裏剣を駆使して戦って敵忍者たちを蹴散らしていくのだが、スピード感もあるので飽きがこない。そういえば、霧姫と同じ色の敵がいたので、最初は間違って姫を斬ったのかと思ってしまったものだった。

少し当たり判定が微妙なところもあったが、ファミコンが発売されてからまだ3年しか経っていない時期のソフトなので、そこはあまり気にならなかった。当たり判定を度外視するほど、ボタン連打をしていた記憶がある。

難易度はそれなりに高かった。なんとかクリアして霧姫を助けたと思ったら、またさらわれてしまうというカオスな展開にもビックリしたものだ。

さて、このゲームはボスの雪草妖四郎を倒すと最終クリアとなり、十二単の霧姫が登場する。説明書にはこの画面を撮影して応募すると、なんとオリジナルグッズが抽選で先着1000名にもらえると書いてある。抽選で先着というのがよく分からなかったが、おそらく3等賞まであるのでどれが当たるのか分からないということだろう。

大当たりは「おしゃべり霧姫」……こんなの欲しいに決まっている。

しかし、スマホもない当時、個人ではカメラなんてなかなか持っていなかった。家にはあったが現像するためにはすべてフィルムを使わないといけないので、途中で取り出すなんてご法度だった。使い捨てカメラもまだ普及しておらず、同年1986年に発売された『写ルンです』で、ようやく一般化されたような記憶がある。それでもすべてフィルムを使う必要があったのだが……。

そうして、なんとかクリア画面を現像できたものの結局当選せず……。そのころにはもう、1000名以上が応募していたのだろう。

■『帰って来た!軍人将棋 なんやそれ!?』友人と協力してクリアに挑んだ…「24金ゴールドカード」

次は、ソフエルから1989年に発売された『帰って来た!軍人将棋 なんやそれ!?』だ。軍人将棋というのがなかなか趣があり、シミュレーション系が好きな筆者にとっては面白かったゲームである。

一般的な将棋やオセロなどのボードゲームでは周囲も遊んでいたが、このゲームを所有している知人・友人は筆者の周りでわずかに1人だけだった。その強者にルールを教えてもらい、筆者も必死になって遊んだ。

やはり敵の位置が分からないから楽しく、予測しながら進めることにとてもワクワクしたもの。対戦相手も可愛いキャラから野菜にいたるまでなかなかコミカルで、コマ同士の勝敗表を頭に入れながら(途中でも見られる)熱中していた。

そして、本作の景品は、なんと「24金ゴールドカード」! 勲章(エンブレム)の謎を解明してハガキで解答を送ると、抽選で15名にこのカードが当たるのだ。

35年前なだけにさすがに答えは忘れてしまったが、何度も勝利して謎を導かなくてはならず、友人と協力して解き明かしていった。

とはいえ当たることはなく、100名に当たるオリジナルテレホンカードのダブルチャンスも外れてしまった……。

■『キャプテン翼』ゲームも面白いが懸賞も欲しかった…「特製デジタルウォッチ」&「特製ソ―ラー電卓付カードラジオ」

最後は、1988年にテクモ(現:コーエーテクモゲームス)から発売された『キャプテン翼』だ。神作と言われているシリーズだが、筆者は本作が面白かったから続編を購入した。そういったプレイヤーはきっと多かっただろう。それだけに本作の価値は大きいと言える。

サッカーゲームながらコマンド式を採用しており、敵と遭遇するとパスやドリブル、必殺技を選択することができる。シミュレーション要素もあって楽しかった。

リアルタイムで敵側が見えないという難点もあったが、次作以降は改善されていた。強敵との対戦は難易度が高く、一度負けてレベルアップしないとなかなか勝てないこともあった。きっとすべてのプレイヤーが、GK森崎を必死に応援したことだろう。

本作では、先着1000名に「特製デジタルウォッチ」がプレゼントされる懸賞があったが、発売日に買えなかったこともあり、手に入れることはできなかった。しかし、さらに応募者全員のなかから抽選で、「特製ソ―ラー電卓付カードラジオ」が1000名にプレゼントされるという。

「電卓付カードラジオ」というカッコいい響きにひかれてこれも応募したものの、発送されてこなかった。結局、これも落選してしまったようだ。

ここで紹介した景品たちは、筆者がすべて落選してしまったものばかり。当選した人たちが羨ましい限りだ。

もう30年以上も前の話になるので覚えていない人も多いだろうが、現在ではかなりレア化して価格が高騰している景品もあるらしい。機会があったら見てみたいものである。

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