エレキで奏でるジャズ 伊達出身ベーシスト、即興音楽も

東京都内を中心に活動するベーシストの阿部さん。3日には福島市でライブを開いた

 ジャズや即興音楽を奏でる気鋭のエレキベーシスト阿部真武さん(31)=伊達市霊山町出身=は現在、東京都内のライブハウスなどで演奏している。「ライブや収録のほか、作曲も頑張りたい」と意欲を見せる。

 エレキベースに初めて触れたのは中学の頃で、家にあった母親の楽器を借りて始めたのがきっかけ。「ジャコのような音色を出せるようになりたい」と、米国のベーシスト、ジャコ・パストリアスに憧れ練習を重ねた。「ウッドベースにはない柔軟性、いろんな役割をこなせるところがエレキの魅力」という。エレキベースはウッドベースよりも奏者が少なく「お手本が少ない分、自分で試行錯誤できる自由さがある」と語る。

 学法福島高に通っていた頃、楽器店で福島高のジャズ研究部員と知り合い、一緒に練習やライブをするようになった。日大に進学後、福島高ジャズ研仲間とのつながりを介し千葉大ジャズ研究会で活動を始め、音楽ができる場を見つけていった。

 「響き合う面白さ」

 ジャズを楽しむ一方で、即興演奏でつくる音楽の自由さにも面白さを感じていたといい、大学卒業後は即興音楽にも取り組んでいる。即興音楽はジャズだけでなく、ロックやクラシック、さまざまなジャンルを背景にした奏者が集まる。「即興音楽には楽器ごとの役割がない。一人一人が個として演奏する中で、響き合いが生まれるのが即興音楽の面白さ」と話す。

 3日には福島市のMINGUSでライブを開いた。古里での演奏に「機会があればと思っていたことがようやくかなってうれしい」と笑顔を見せた。

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