人気投票でメンバーが“脱退” グループYouTuberスクワッドの攻めの企画に注目される理由

人気YouTuberグループ・スクワッドが、チャンネル登録者数100万人突破に向け、メンバー“脱退”企画を始動。多くのファンが衝撃を受けた前代未聞の企画は、なぜ生まれたのか。今回はスクワッドの前例のない挑戦から、攻めの企画の全貌を紹介する。

スクワッドは、中学時代の同級生7人で結成されたYouTuberグループ。チャンネル登録者数75.1万人を抱える人気動画クリエイターだ(2024年5月4日時点)。スクワッドは今年2月に突如活動休止を発表すると、活動再開時には質の高い動画をつくるべく約2年間続けてきた毎日投稿を止めることを報告。車の購入やスタジオの引越し、メンバーたちの生活費のため借金があることを明かし、現在は借金を返済しながらチャンネル登録者数100万人に向けて活動している。

2024年4月25日に投稿した動画の冒頭では、かぱ村長が「今後4人で活動していきます」と発表。チャンネル登録者数が100万人を突破するまで毎月人気投票を行い、編集などメンバーのサポートを担うさっちゃん以外の6人のメンバーのなかから5位と最下位を決めるというのだ。この5位と最下位のふたりは、1か月間メインチャンネルの動画に出演はなし。

1か月間は自身の人気を高めるために個人の活動に力を入れ、次の投票で上位を目指すことになるという。脱退組はサブチャンネルで投稿される動画には出演できるとのことだが、メインチャンネルへの出演料がなくなるため、報酬が減ることも明かされている。

前例のない、ファンにとっては衝撃的な企画を行うことを決めた理由についてかぱ村長は、再生数の低下により、現在グループが危機的状況にあることを挙げている。「メンバー1人ひとりにもっとファンを増やしていきたい」「全員が個性を持って売れるために考えた」と話しているほか、やじも動画途中で「このままじゃ食えないから」と発言していることから、グループとして苦肉の策だったことがうかがえる。「最後の最後の俺らの手段」というかぱ村長の言葉からは、100万人突破に向けた強い意志が感じられる。

3年半の活動のなかで人気投票を行うのは初めてというスクワッド。今回の企画には、「脱退したメンバーのファンがどんな気持ちになるか考えたのか」「ファンに寄り添って欲しい。投票がとても心苦しい」など、企画内容に拒否反応を示す声も目立った。行く先が不安視されているなか、果たして結果はどうなったのか。

2024年5月2日に投稿された動画では、1回目の投票結果を発表。投票総数3563票のうち、1位で人気投票を通過したのは866票を獲得したかず。2位は753票ではるか、3位は680票を獲得したたー、4位には647票でやじが滑り込んだ。この結果、今回の脱退メンバーは5位のかぱ村長(379票)と、最下位のけんご(238票)に決定。

5月の1か月間についてかぱ村長は、スポーツ系のコンテンツを作ることやTikTokをバズらせたいと述べており、けんごはかぱ村長とふたりでゲーム系にチャレンジするとしている。一方、脱退を逃れたはるかは、「面白いことやっていくので、自信もってついてきてください」と、不安を感じている視聴者に言葉をかけている。

残った4人のなかに進行役がいないという興味深い結果となった今回の結果だが、1か月間メインチャンネルに出演できないメンバーをみるため「サブチャンネル登録した」というコメントや、「残存組も離脱組もどっちの動画も楽しみに待ってます」など好意的な意見が多くみられる。当初はファンからの反発が多かった脱退企画だが、メンバーたちの登録者数100万人突破への覚悟がファンの気持ちを動かした模様。これまでにない攻めの企画は紆余曲折を経て、ファンも注目の企画となったようだ。

(文=せきぐちゆみ)

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