吉田正尚の左手親指負傷は詰まりによるダメージ蓄積が原因か

吉田正尚(ロイター=USA TODAY Sports)

【マサチューセッツ州ボストン12日(日本時間13日)発】レッドソックスの吉田正尚外野手(30)は左手親指腱の炎症で10日間の負傷者リスト(IL)に入っているが「珍しい」(吉田)症例だったこともあり、復帰のメドは立っていない。コーラ監督も「数週間に渡って様子を見る」と話すに留めている。

スタットキャストのデータよると、今季の吉田の平均打球速度は269人中187位の87マイル(約141・1キロ)で昨季の89マイル(約143・2キロ)よりダウン。最速打球速度は269人中254位の105・3マイル(約169・5キロ)。昨季の112.3マイル(約180・7キロ)から大幅にダウンした。

平均打球角度は8・6度で昨季の3・9度より上がっているが、長打が出やすい打球速度(初速98マイル=約157・7キロ)と打球角度(26~30度)の組み合わせとなるバレルはわずか2(昨季30)で269人中252位。対応できていないということだ。

スロースターターの吉田にとって開幕から1か月ほどは日本時代も助走段階。判断するには早いが全打球のうち角度が8度から32度の間に入る確率であるスイートスポット率30・4パーセントも269中191位に低迷している。芯を外した詰まった当たりのダメージが蓄積して、打者の押手で最も負荷のかかるトップハンドの親指部分がダメージを受けてしまった可能性がある。

吉田はオリックス時代からトップハンドの親指部分にプロ・ヒッター社が製作するゴム製の輪っかを着けてバットを握っているが、それでも防げない程の衝撃がかかっていたようだ。復帰時はその対応が迫られる。

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