小惑星や彗星が地球に衝突することってある?【図解プレミアム 宇宙の話】

衝突の可能性はあり、常に監視している

地球の周りにはたくさんの小惑星が飛び回っていて、そのどれかが地球に衝突する可能性はつねにあります。地球と衝突する可能性のある天体は、わかっているだけで2000個近くあるとされています。そもそも、46億年前、地球自体がたくさんの小惑星と衝突することによってできあがっています。また、6500万年ほど前に直径10キロメートルの小惑星が地球に衝突し、恐竜など当時の生物種の6割以上が絶滅する事態を招いたことが、メキシコ・ユカタン半島の白亜紀末のものとみられる直径 180キロメートル以上のクレーターによって確認されています。

近年では、2013年2月に、ロシア西部チェラャビンスク州に推定直径17メートルの小惑星のかけら(隕石)が落ち、地面に落下する前に空中で生じた衝撃波により、7240棟の建物の窓ガラスが割れ、1500人以上が重軽傷を負うという大事故が起きています。

ロシアの例では、幸いにも死者はいませんでしたが、規模の大きい衝突が起これば、甚大な被害、未曾有の大惨事が起こりかねません。そこで、各国の宇宙機関が「惑星防衛」と呼ばれる対策を検討しはじめています。

NASAは、2022年10月に、地球を脅かす可能性のある小天体の軌道を安全に変えられるかを検証する世界初の惑星防衛システムの実証実験を行い、地球から約1100万キロメートル離れた小惑星「ディモルフォス」に探査機「ダート」を衝突させ、軌道をそらすことに成功しました。人類が天体の軌道を変える画期的な結果を得たのです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一

「地球はどうやってできたの? 宇宙のどこにあるの? 」「太陽が巨大化するってホント?」「月のクレーターや『月の海』って?」「 宇宙はどんな構造?いくつもあるの? 」など素朴なギモンに即答で宇宙のナゾに迫る! ——地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、61テーマと興味深い宇宙・星座コラムで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!

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