水原一平事件のラスベガス捜査がニューヨークのカジノ界に影響 メッツのカジノ構想も…

水原一平被告

ドジャース・大谷翔平(29)の元通訳の水原一平被告(39)が引き起こした詐欺事件がニューヨークのカジノまで影響を及ぼしている。違法ギャンブルによる負債を大谷の口座から1700万ドル(約26億5000万円)を不正送金したとして連邦当局の捜査が続いており、ブックメーカー胴元のマシュー・ボウヤー氏の周辺や送金先としてテレビタレントのライアン・ボヤジアンの名前も上がっている。

ボウヤー氏はラスベガスの「リゾート・ワールド・ラスベガス」の常客で、水原被告の返済分で豪遊を重ねていた。マネーロンダリング監視の観点から捜査はカジノにも及んでいるが、そんな中で米メディア「ニューヨーク・ポスト」はラスベガスの捜査がニューヨークのカジノに及ぼす影響を報じている。州の公的資金を支えるような実績あるカジノも今回の事件が新たなライセンス取得の障害になるとし「カジノライセンスの基準の1つは評判」と専門家の声を伝えた。

アンドリュー・クオモ前州知事の下で副長官だったベネット・リーブマン氏はカジノの州における社会貢献を踏まえ「ニューヨークにおけるリゾート・ワールドの野望にとって頭痛の種になるかもしれないが、新たなカジノライセンスの邪魔になるべきではない。悪化しない限り失格にはならない」とラスベガスとは〝別問題〟と同メディアに主張している。

他にもメッツのオーナーのスティーブ・コーエン氏によるカジノプロジェクトやブロンクス、ハドソンヤードなど多くのプランがあり、州規制当局は今年はライセンスを付与しない見通しというが、ここまで〝大スキャンダル〟になった以上、捜査の進展次第でニューヨークが影響を受けるのは避けられない。米国のカジノ産業の衰退につながる可能性もあり、水原ショックの波紋は大きい。

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