「娘をお返しください」横田早紀江さん “娘”を持つ金正恩氏へ力限りの訴え「あなたのお子さんも…」

北朝鮮による拉致被害者の即時一括帰国を求め、5月11日、都内で国民大集会が開かれました。横田めぐみさんの母・早紀江さんは声を振り絞り、金正恩委員長に向けて「娘を返して」と訴えました。

【横田早紀江さん】
「私はきょう、金正恩氏にお願い致します。いつもかわいい女の子があなたの横にいらっしゃいますよね。私たちの子どもたちも、みんなあのようにかわいくて、大事に大事に育ててきました」

11日の国民大集会で横田めぐみさんの母・早紀江さんは、発言の冒頭から金正恩委員長に向け語りました。

娘を様々な場面で同行させる金正恩委員長。早紀江さんは、「そのお嬢様が夕方に突然、消え果てたらどう思いますか?」と下校途中に13歳で拉致された娘・めぐみさんに重ねて訴えました。

めぐみさんの弟で家族会代表の横田拓也さんも…

【拉致被害者家族会 横田拓也 代表】
「金正恩委員長の勇気ある英断にかかっています。過去の代で行われた負の歴史と決別してほしいと願っています」

意識するのは、北朝鮮が日本側の発言を注視しているということです。

去年の国民大集会では、岸田首相が「首脳会談の実現に向け自身直轄のハイレベル協議を行いたい」と発言した2日後、北朝鮮メディアが「関係改善を模索しようとするなら両国が会えない理由はない」とする外務次官の談話を発信。

この日の集会の内容も金正恩委員長の耳にいち早く届いていると考えられます。

【岸田首相】
「とりわけ拉致被害者ご家族もご高齢となる中で、日本国内ではご家族はもとより、国民の間に差し迫った思いが強まっている」

この日も「自身の手で拉致問題を解決する」と話した岸田首相を信じる88歳の早紀江さんは、力の限り金正恩委員長に訴えました。

【横田早紀江さん】
「どうか心を変えてください。そこに元気でいる皆さんを全部親の元にお返しください。そして、あなたのお子さんもそんなことが絶対ないように、どこの国もみんな仲良く暮らしていけるように心を入れ替えて頑張ってください。お願いを致します。心からお願いを致します。お返しください」

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