【夏場所】琴桜が改名後の初白星 あくまで自分流「何かが変わるわけではない」

熱海富士(手前)を肩透かしで退けた琴桜

大相撲夏場所2日目(13日、東京・両国国技館)、大関琴桜(26=佐渡ヶ嶽)が幕内熱海富士(21=伊勢ヶ浜)を肩透かしで退け、改名後の初白星を挙げた。取組後は「集中していけたと思う。落ち着いていたんじゃないですか」と納得の表情を浮かべた。

初日は1横綱4大関が総崩れ。番付の権威が大きく揺らぐ中、この日は看板力士としての務めを果たしてみせた。

今場所から慣れ親しんだ「琴ノ若」のしこ名に別れを告げ、元横綱で祖父の「琴桜」を襲名。1974年名古屋場所以来、50年ぶりに琴桜が復活し、初日から土俵入りで大声援を浴びている。

しかし、本人は「あんまり気にしていない。(しこ名は)もらった時から自分のものだし、『先代が』とか『昔の人が』とか、その人たちの考えなので。そこにとらわれて、自分らしくいけないのが一番良くない。気にしているとかじゃなくて、何かが変わるわけではない」ときっぱり。

偉大な祖父のしこ名に敬意を払う一方で、先代の全てをまねるわけではない。「昭和の琴桜」ではなく、あくまで自分流の「令和の琴桜」を目指していく構えだ。

9日目は、初日に大関貴景勝(27=常盤山)を倒し、3場所連続で勝ち越し中で波に乗る幕内平戸海(24=境川)との初顔合わせ。琴桜は「明日は明日でしっかり集中して、自分自身やるべきことを、やるだけなので。人はどうとかは関係なく、同じ気持ちで臨んでいくだけですね」と表情を引き締めた。

© 株式会社東京スポーツ新聞社