アジアのコンクールで史上最年少の銀賞 津山市の中学校3年ピアニストの夢は【こどもミライパーク】

プロや音大生も出場するアジア大会で、最年少の銀賞に輝いた中学生ピアニストが岡山県津山市にいます。物心付く前からピアノを弾き、この夏にはスイスやイタリアでの演奏を控える彼女の夢とは。

県立津山中学校に通う3年生、中島結里愛(ゆりあ)さん。数々のコンクールで優勝を重ねる中学生ピアニストです。

2024年1月には「ショパン国際ピアノコンクールinASIA」で、プロや音大生も参加する最上位部門に出場。史上最年少で銀賞を受賞しました。

クラスメートに結里愛さんの印象を聞くと……。

(同級生は―)
「静かな子なのかなって思っていたら意外と明るい子で。学年合唱のときピアノをしてもらって、CDよりすごいんじゃないかって迫力で」

(幼稚園からの幼馴染は―)
「昔からすごい優しくて、ちゃんと芯があってすごいいい子だなって。中学生とかで海外でピアノをしているっていうのはすごいことだなと」

学校から自宅に帰るとすぐにピアノを弾く結里愛さん。母親であり、ピアノの先生でもある千香さんに見守られながら平日は4時間ほど、休日は月に2回の東京でのレッスン、自宅にいれば1日中ピアノを弾くという結里愛さん。

現在は2024年8月のスイスとイタリアでの演奏に向け、練習を積み重ねています。

(津山中学校3年ピアニスト/中島結里愛さん)
「もちろんしんどいことはたくさんあるんですけど、それよりもピアノにふれることができる喜びをいつも感じて練習したり演奏したりしている(Q.結里愛さんにとってピアノとは?)ピアノは……私の友達です」

結里愛さんが3歳のとき。母・千香さんによると、当時音階を教えたわけでもなく、どこかから聞いたのを耳で覚えて演奏したということです。

(母・千香さん)
「生後9カ月ぐらいだったと思うんですけど、おむつをはいて、椅子に立って(ピアノを)弾いてたとか(笑)。私が隣で弾いて聞かせたりすると、すぐそれを真似しようとして」

物心つく前からピアノと触れ合い、4歳の時にコンクールに初出場すると見事優勝!この経験が結里愛さんの人生を大きく変えました。

(津山中学校3年ピアニスト/中島結里愛さん)
「舞台で演奏するときに、本当にピアノを弾いている時間っていうのが自分にとってすごく楽しい時間だと、ぼんやりなんですけど感じていたのを覚えていて、そのころにピアニストになりたいって言うように」

現在、結里愛さんが大切にしているのは作曲家の「思い」を理解すること。
ショパンやバッハなど17世紀から20世紀前半までの偉大な作曲家たちが残したクラシック音楽。当時の時代背景や作曲家自身の半生を知り、その曲や節に込められた思いを自身の演奏で表現します。

(津山中学校3年ピアニスト/中島結里愛さん)
「戦時中に書かれた曲だとしたら、ここのメロディーは誰のことを考えて書いたのかと思ったら、その思いをできるだけ再現できるように自分なりに表現方法を考える。これから一生かけて学ぶことだと思っている」

(母・千香さん)
「言葉の代わりに音を用いているような、人を惹きつける魅力があるとよく言われるんですけど、自分の音楽を舞台で作ることができるんだろうなと」

(津山中学校3年ピアニスト/中島結里愛さん)
「私も実際将来のことが不安になったりすることが結構最近あって、でもそんな時に音楽を聞いたり演奏したりすると、将来の夢だとか希望を思い出させてくれる。世界中の方にそれを実感してほしいと思っている。自分の思いを曲を通してお客さんたちに届ける。音楽でコミュニケーションをとることが私の夢です」

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