190店閉店から黒字転換、【ほっともっと】の新作弁当を食べたら「予想外」だったワケ

ほっともっとの看板(写真:サイゾーウーマン)

お弁当チェーンの「ほっともっと(HottoMotto)」。2019年に人件費など店舗運営コストの上昇を理由として、直営する190店を閉店すると発表しましたが、22年には黒字に転換。その後も3年連続で黒字幅は伸び続けているそう。復調の兆しを見せる「ほっともっと」の実力を測るべく、店舗を訪れてその味を確かめてきました。

※価格はすべて税込です。
※価格や商品は2024年5月12日時点の情報です。
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目次

【ほっともっと】とは? 業績状況
【ほっともっと】新作「旨塩豚カルビ弁当」チェック
【ほっともっと】新作「旨塩豚カルビ弁当」はレモンの量に注意!
【ほっともっと】苦境から立ち直ったのも納得の正統派なおいしさ

【ほっともっと】とは? 業績状況

お弁当チェーンの「ほっともっと」。もともと、「ほっかほっか亭」のフランチャイズ展開を進めていたプレナスが08年に同総本部側との商標をめぐる問題を経て独立し、立ち上げたチェーンです。

プレナスが公表しているIR情報によれば、店舗数は今年の4月時点で2444店舗と、同系統のチェーンの中では最大手となっています。そんな「ほっともっと」は、19年に人件費など店舗運営コストの上昇を理由として、直営する190店を閉店すると発表。2年連続で通期決算が赤字になることもあわせて発表し、同チェーンが苦境に立たされていると話題を集めたことがありました。

しかし、その後22年にはコロナ禍による“巣ごもり需要”などで黒字に転換。上記のIR情報によれば、24年2月には親会社株主に帰属する当期純利益39億1200万円を計上し、3年連続で黒字幅は伸び続けています。復調が顕著となった「ほっともっと」の実力を測るべく、店舗を訪れてその味を確かめてきました。

【ほっともっと】新作「旨塩豚カルビ弁当」チェック

店舗の前には、「旨塩豚カルビ弁当」を宣伝する垂れ幕がありました(写真:サイゾーウーマン)

「“ほっと”安心できるお弁当を、“もっと”多くのお客様へ」という思いを店名に掲げた同チェーンでは、お弁当の店内調理の徹底のほか、精米やブレンド、食品類や調味料の加工などを自社工場で行うなど、さまざまなこだわりを持って商品を作っているとのこと。

今回は、5月8日から発売された新商品である「~レモンが決め手!~ 旨塩豚カルビ弁当」(税込600円、以下「旨塩豚カルビ弁当」)を注文し、こだわりの数々が味に反映されているかどうかをチェックすることにしました。

なお、同メニューには肉を2倍にした「W旨塩豚カルビ弁当」(890円)、もち麦ごはんが使われたミニサイズの「もちミニ 旨塩豚カルビ弁当」(540円)というバリエーションもあるようです。また、おかず単品での販売は、通常の量が500円、「W旨塩豚カルビ」が790円と、それぞれ弁当よりも100円引きで提供されています。

店内で注文を伝え、引換券をもらった後に数分待つと、商品を受け取ることができました。

店内には、弁当以外にもカップみそ汁や飲み物などが販売されています(写真:サイゾーウーマン)

以下、自宅でそれらを開封した模様を写真でお伝えします。

【ほっともっと】新作「旨塩豚カルビ弁当」実食

「旨塩豚カルビ弁当」の全体像(写真:サイゾーウーマン)
おかずの全体像(写真:サイゾーウーマン)

さっそく、味を確かめるべく、まずはメインのおかずである豚肉から実食。

黒こしょうやガーリックなどが利いた、おなじみともいうべき味の塩ダレが豚肉と玉ねぎに絡んでおり、思わず「こういうのでいいんだよ!」と心の中で頷いてしまうような味わいです。

豚肉部分、シンプルに焼かれた豚肉に青ネギが乗っています(写真:サイゾーウーマン)
ご飯は粒がちゃんと立っていておいしそうな見た目(写真:サイゾーウーマン)

ご飯のほうも、万人が好む炊き加減となっており、かなり硬めに炊き上げるのが好みの筆者でも十分においしく食べられる丁度よさがありました。もちろん、両者の相性は抜群で、レモンを絞らなくても、この量ならペロッと食べきれてしまいそうです。

肉の下のパスタが相性良し!

漬物もしっかりとした味つけで好みでしたが、ポテトサラダはすこし甘めで、好みが分かれそうな味。

また、意外な相性を見せたのが、肉の下に敷かれていたパスタとご飯の組み合わせです。

パスタとご飯というちょっとジャンクな食べ方が意外なおいしさ!(写真:サイゾーウーマン)

塩ダレと豚肉から出た脂をたっぷり吸ったパスタは、そのままだと少しくどく感じてしまうものの、ご飯と一緒に合わせるとジャンクなおいしさのおかずとして機能。でんぷんとでんぷんを合わせた“でんでんメシ”であるため、好まない人も少なからずいるでしょうが、そんな人たちにも一度こだわりを捨てて試してほしいと思えるおいしさでした。

レモンの絞りすぎには注意!

半分ほど食べ進めたところで、豚肉の横に添えられていたレモンを絞り“味変”を試みることにしました。これでよりさっぱりと、初夏らしい味わいで一層ご飯が進むのではないかと予想しながら箸を進めたところ、予想外の結果に。

肉の横にはくし切りにされたレモンが(写真:サイゾーウーマン)

豚肉や玉ねぎについては、爽やかな風味が足されて新たなおいしさが生まれたものの、塩ダレのパンチが薄まるうえに、生絞りであるレモンのよく言えばフレッシュな、悪く言えば尖った酸味があまりご飯に合わないように感じられ、おかずとしてはレモンを絞らない方がアリなように思えてしまったのです。

こうした爽やかな味でご飯を食べたいという人もいるでしょうが、個人的にはこうした味の場合、単品のおかずとして購入し、お酒のつまみなどにした方がよりおいしさを味わえるのかな、というのが正直なところでした。

とはいえ、これは何も考えずにレモンを全て絞り尽くすようにかけてしまった筆者にも問題はあるかもしれません。おかず、あるいはおつまみなど、食べるシーンや用途に応じて、おのおの好きな味になるまでレモンの量を調節してかけるよう注意すれば、よりこのメニューを楽しんで食べることができるでしょう。

テレビで流れる同メニューのCMでは、プロ野球・千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希選手と、女子バレーボール・NECレッドロケッツの古賀紗理那選手が出演。

「しぼってこー!」というナレーションとともに、お二人は満面の笑みを浮かべながらがっつりレモンを絞ってかけていますが、実際においしく食べるには少しずつ絞って味を調整することをお勧めします。

【ほっともっと】苦境から立ち直ったのも納得の正統派なおいしさ

今回は筆者のポカも相まって、その魅力を完璧に感じることができなかった「ほっともっと」の「旨塩豚カルビ弁当」。とはいえ、ベースとなる豚カルビなどのおかず、そしてご飯そのものの味わいは正統派なおいしさがあり、一時期の苦境から立ち直ったのも納得できる商品力を感じたのも確かです。

かつて会社員として働いていたころには、会社の近くにあった同チェーンの「チキンバスケット」をそこそこの頻度で食べていた筆者ですが、自宅での作業が主となった現在、なかなかお弁当チェーンに足が向くことは少なくなっていました。

そのため、「ほっともっと」も、かなり久しぶりに訪れたのですが、このレベル、かつ作りたてのお弁当をテイクアウトし、家で気軽に味わうことができるのであれば、これからは十分に選択肢に入るな、と感じています。

今後も「ほっともっと」には、再び苦境に陥ることなく、おいしいお弁当を多くの人に提供し続けてほしいものです。

さっそく来週のチートデイに、このビビンバを試してみようと思います(写真:サイゾーウーマン)

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