井上尚弥に最上級の賛辞送った92歳重鎮アラム氏 レジェンドしのぐ扱いに海外仰天「間違いなく激賞」

井上尚弥【写真:荒川祐史】

逆転でネリを撃破した防衛戦

ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)に対し、世界的プロモーターが送った最上級の賛辞に世界のメディアが驚いている。6日行われた東京ドームでの興行で、元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)を6回TKOで撃破して王座防衛に成功。この試合を生観戦していた米興行大手・トップランク社のボブ・アラムCEOは「一度たりとも見たことがない」と改めて絶賛。この発言を取り上げた海外メディアからは「史上最高に位置付けたことに多くが驚くかもしれない」といった反響が出ている。

初回に試合では人生初ダウンを喫しながら、冷静な立ち回りで立て直し、6回にネリを沈めた井上。この試合について、オーストラリアの放送局「ABCニュース」のジャイ・マックアリスター記者のYouTubeチャンネルは「『私が見てきた中で最高のボクサー』――ボブ・アラムがナオヤ・イノウエに仰天する」とのタイトルで動画を公開。その中で、井上と共同プロモート契約を結ぶアラム氏に井上のネリ戦の感想を求めた。

アラム氏は「パウンド・フォー・パウンドで世界最高なだけでなく、イノウエは私が今まで見てきた中で最高のボクサーだ。階級が何であろうが関係ない。60年ほどボクシング界にいるが、イノウエのようなものは一度たりとも見たことがない」と発言。最上級の賛辞は世界に波及した。

英ラジオ局「トーク・スポーツ」は「モハメド・アリ、マイク・タイソン、フロイド・メイウェザーと働いてきたが、“ザ・モンスター”より優れた人はいない」との見出しで記事を掲載。アラム氏の賛辞を取り上げ、「イノウエが今日の地球上で最高のボクサーであることには多くのボクシングファンが同意するだろう」と納得しながらも「しかしながら、アラムが彼を史上最高に位置付けたことには多くが驚くかもしれない」と記した。

記事内では「1960年代にこのスポーツの世界に入ってから、この92歳が一緒にやってきた人たちの力量を考えると、これは間違いなく激賞だ」とアラム氏の言葉の価値に言及。「モハメド・アリからマイク・タイソン、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオまで、アラムは史上最高級のボクサーたちをプロモートしてきた」としたうえで「伝説的なボクサーを称賛する人たちが多い中、アラムは明白に現役のボクシング界のスーパースターが先人たちを上回る能力があると考えている」と、アラム氏の発言によって井上がレジェンドたち以上のインパクトを残していることを指摘している。

THE ANSWER編集部

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