鵜の浜海水浴場従来より西側に開設 県工事で発生の砂搬入 大潟区

砂浜が浸食され、人魚像の台座(中央奥)や緩傾斜護岸が露出している鵜の浜海水浴場。護岸が見えている場所に今後、砂を搬入し、台座から西側(直江津側)を海水浴場として整備する(14日正午撮影)

大潟区鵜の浜海水浴場の砂浜が消失し、護岸がむき出し状態になっている問題で、上越市は柿崎区内の県発注工事で発生する砂を入れ、鵜の浜海水浴場を従来よりも西側(直江津側)に開設する対応を決定した。5月下旬から砂を入れ、夏の開業に間に合わせる。

同海水浴場の砂浜が1月下旬以降、冬季波浪により大きく削り取られ、下の緩傾斜護岸や人魚像の台座が露出する事態になり、今夏の海水浴場開設が危惧されていた。この間、関係する行政や地元関係団体などで対応協議を重ねてきた。

同海水浴場を所管する柿崎区総合事務所によると、柿崎区馬正面で施工の県の橋梁(きょうりょう)架け替え工事で発生する砂(約2000立方メートル)を5月下旬から搬入。6月20日ごろから露出している緩傾斜護岸部分に敷きならして海水浴場の面積を確保する。合わせて誘導看板や立ち入り防止ロープの設置などの安全対策を講じる。

人魚像は仮設置へ

海水浴場とする場所は、人魚像の台座付近から西側(直江津側)に約100メートルの範囲を見込む。ただ、冬季ほどではないものの、波により敷きならした砂が削られることもあるとみている。例年並みの日程で、安全祈願祭を7月1日、海開きを同13日に予定する。

現在一時退避している同海水浴場のシンボル、人魚像については、海開きまでに仮設置できるよう位置などを地元関係団体と協議している。今後の冬季波浪などを見通し、元の台座に戻すことは考えていないとしている。

鵜の浜温泉観光組合の八木健一組合長(52)は「海水浴場を開設し、海開きができる予定でうれしく思う。ニュースで取り上げられて以降、県外のリピーターからも問い合わせが入っている。鵜の浜海水浴場は家族連れが多いので、危険を回避できる形で整備してほしい」と話している。

昨年12月には人魚像の台座周りに砂があった(昨年12月14日撮影)

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