物材研、26日ラボ公開 茨城・つくば 5年ぶり、3地区

公開される次世代蛍光体開発のラボ=つくば市並木

物質・材料研究機構(物材研、茨城県つくば市)は26日、5年ぶりに同市並木、千現、桜の3地区の研究施設を一般公開する。計66カ所のラボを公開し、最先端の材料研究の魅力を紹介する。14日、報道向けの内覧会を開き、今回公開される匂いのセンサーを使った牛の健康管理の研究などについて説明した。

物材研は2019年まで3地区で一般公開を実施。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、20年からはオンラインや一部の地区公開にとどめていた。

今回は並木29カ所、千現32カ所、桜5カ所の計66カ所のラボを公開する。航空機材料や電池、医療や酪農への応用が期待される匂いセンサーや、次世代蛍光体開発の現場を見学でき、研究者に質問も可能だ。

このほか、物材研発のベンチャー企業「Qception(キューセプション)」を立ち上げた研究者などの講演会を開催。現場の研究者の熱意や生の声を聞くことができる。同社は、匂いを測定する小型高感度匂いセンサーを開発。農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)や筑波大などと連携し、牛乳の匂いで牛の代謝異常を感知したり、呼気測定でがんを検知したりするなど、応用の可能性を探る。

内覧会では、吉川元起グループリーダーが、牛乳の匂いを感知するセンサーの研究について紹介。一般公開では、特に中高生の見学を心待ちにしているとし、「(若い人が)いろいろなことに触れ、疑問を突き詰めていけば、良い研究者になれる」と期待した。講演会では吉川さんのほか、同社代表の今村岳主任研究員が演壇に立つ。

物材研の広報担当者は「学生や子どもたちに見てもらい、材料基板の未来を支える人材となるきっかけにしてほしい」と期待を込めた。

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