「菖蒲打ち」ってなに?高速で地面をめった打ちする姿が「ギャップがすごい」と話題

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扇子屋の女将が一心不乱に「菖蒲打ち」をする姿がXに公開され、「ものすごい迫力!」と話題になっています。

京都・四条烏丸近くで112年間、扇子屋を営んでいる「大西常商店」の女将・大西里枝さん(@RieOhnishi)。普段は扇子の製造販売のほか、投扇興や絵付けなどの体験の場を提供しています。

5月5日、11時から16時まで1時間おきに、お店の前で菖蒲打ちパフォーマンスをした大西さん。

普段はとても上品な女将が突如としてものすごいスピードで地面をめった打ちする姿に2.5万もの「いいね」がつき、「初めてみた!すごい迫力」「肩と腰お大事にしてくださいね…」「知らん人が見たらめちゃくちゃびっくりするだろうな」「腰が入っていてかっこいい!」と注目を集めました。

ハフポスト日本版は大西さんに話を聞きました。

まず「菖蒲打ち」について、「菖蒲はお風呂に入れる菖蒲湯などがよく知られていますが、『勝負』や『尚武』にかかることから、端午の節句(子どもの日)には欠かせないものです。

また、香りが強く、魔除けや厄除けになると信じられています。このことから、玄関の前で菖蒲をたたきつけ香りを出すことで外から入ってくる厄を払うという行事です」と説明。

そのため「強く香りを出すためにより強く叩いたほうがよいということで、大西家では菖蒲が一番ぼろぼろになるまで叩いた人が優勝というルール」とのこと。

お店の前で菖蒲打ちを始めたきっかけを聞くと、「まいまい京都というツアー会社があり、住民が地域の風習や隠れた観光名所などを案内するツアーがあります。こちらは5年前くらいに企画したもの」だったそう。

「毎年やらせていただきつつ、ツアー以外にも弊社主催で一般のお客様にもお楽しみいただいております。Xでも毎年発信しておりまして、風物詩として楽しみにしていただいているお客様がおられますので、毎年がんばって続けています」と話していました。

今年はこの日のためにチョコザップで腕と背中を鍛えてきましたが、全く意味がなかったという大西さん。菖蒲打ちの魅力は、「日頃のストレスを合法的に解消できるいい機会だというところ。みんなで夢中になって菖蒲を打ち付けるのもなかなか一体感がでて楽しい」そうです。

反響に関しては、「おおむね好意的に捉えていただいてうれしいなと思います。一定数『アスファルトの地面になりたい』というお声があったりしてXの奥深さを感じています」と語っていました。

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