山菜味わい推敲重ね 光太郎直筆原稿「七月一日」初公開

初めて公開されている高村光太郎の直筆原稿「七月一日」

 東京から疎開し花巻の山口集落で過ごした彫刻家で詩人の高村光太郎(1883~1956年)が山の暮らしの様子を記した散文の直筆原稿が、花巻市太田の高村光太郎記念館で初公開されている。村人として生活を送っていたことがうかがえる内容で、光太郎の原稿では珍しい推敲(すいこう)の跡もそのまま残っている。

 光太郎は、1945年の空襲で東京のアトリエを失い、同年5月に宮沢賢治の実家を頼って花巻に疎開し、8月に山口集落(現同市太田)で暮らし始めた。散文は翌年に執筆され、50年に刊行された詩集「智恵子抄 その後」に掲載された。題名は「七月一日」。200字詰め原稿用紙4枚にブルーインクで書かれている。

© 岩手日日新聞社