【Mリーグ】ファイナル前半戦の山場!いつもと違った堀選手 いつも通りの冷静な選択

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【岡田紗佳のもう一度見たい麻雀Mリーグ】5月7日第2試合 南4局1本場=園田賢(ド)、鈴木優(P)、松ヶ瀬隆弥(風)、堀慎吾(サ)

KADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳です。このコラムを書いているのはちょうどファイナルが半分終わった時点で、もうあと1週間でMリーグ2023―24シーズンも閉幕します。チームにとっても応援してくださっている皆さんのためにも最高の結果で終えられるよう、チーム全員で全力を尽くします。

今週、取り上げるのはチームメートの堀選手です。トップ目で迎えたオーラス、1500点をアガって迎えた1本場、早くも3巡目に2筒8筒のシャンポン待ちでテンパイします。すでに2筒は1枚切られており、あまりアガれそうにもないので4萬を持ってきた5巡目にテンパイを外しました。7巡目には7筒を持ってきて、69筒待ちのピンフで再びテンパイします。ここで少し考え、7筒をツモ切りしました。

なぜテンパイを取らなかったのでしょうか? まずは全員の持ち点を考える必要があります。2着目は試合前の順位が4位ドリブンズの園田選手、3着目は2位風林火山の松ヶ瀬選手、ラス目は1位Piratesの優選手です。サクラナイツにとっては、このままの着順で終わるのが理想的。流局したら伏せてこのまま終わりたいところです。

この局で終わらせたいもう一つの要因が、ドラが9萬であること。2着目の園田選手は満貫出アガリ(1300・2600ツモ)、3着目の松ヶ瀬選手は満貫ツモとかなり現実的な条件が残っています。例えばドラが5筒など中張牌ならばすぐにクリアできてしまう条件ですが、9萬ならば少しはマシで、安い手でアガってドラをリセットする必要はないですね。

また自身の待ちの69筒もタンヤオが付く高目の6筒はすでに2枚見えており、アガるとしてもピンフのみの9筒になる可能性が高いです。しかも松ヶ瀬選手の河を見ると筒子を集めていてもおかしくなく、アガリも遠そう。その上、打点も安いとなると次局の園田選手の条件もほとんど変わらないことから、このテンパイに意味はないということです。

次巡に6萬を持ってきて25萬待ちとなりタンヤオピンフが確定したこと、さらに園田選手と松ヶ瀬選手は2萬は持ってなさそうなことから、これならば勝負になるということでリーチ。見事に一発で優選手から打ち取って満貫のアガリとなり、トップを手中にしました。

この日の堀選手は試合前からいつもとは雰囲気が違いました。第1試合でPiratesがトップを取ったことで、連勝させちゃうと本当に厳しくなることから、この試合に対する気合は相当なものでした。普段はそんなに気合を表に出す人ではないのですが、楽屋では目を閉じて集中して試合に臨んでいました。

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