中国とドイツの経済・貿易協力、「一方通行」ではない

中国とドイツの経済・貿易協力、「一方通行」ではない

独ハノーバーで開かれた産業見本市「ハノーファー・メッセ」の「投資中国」展示エリアを訪れる来場者。(4月22日撮影、ハノーファー=新華社記者/任鵬飛)

 【新華社フランクフルト5月15日】ドイツでは細分化されたニッチ市場で世界的または地域的にトップシェアを持つ中小企業を「隠れたチャンピオン」と呼ぶ。このチャンピオン企業と政財界の参加者を結びつけるイベント「ワールド・マーケット・リーダーズ・サミット」組織委員会のウォルター・デーリング会長はこのほど、新華社の書面インタビューに応じ、中国とドイツの経済・貿易協力は一貫して「一方通行」ではなく、双方向の関係は緊密で、両国の持続可能な経済発展に強大な原動力をもたらすと述べた。

 ドイツ以外で初となるサミットのサブイベント「中独(中欧)『隠れたチャンピオン』企業フォーラム」が12日から3日間、北京市で開かれた。ドイツおよび欧州企業と中国企業の間で、科学技術イノベーション、産業発展、人材交流、情報交換などの分野の実務的協力が促進された。

 デーリング氏は、フォーラムが不条理な「デカップリング(切り離し)」に対する反応であるとし、世界の発展と繁栄のために協力して力を尽くすという参加企業の決意の表れだと語った。

 フォーラムには、50社を超える「隠れたチャンピオン」企業などが参加した。同氏は「ドイツの『隠れたチャンピオン』企業の多くは、中国に支社があるか、中国に協力相手や顧客がいる」とし、「中国は成功するドイツ企業にとって不可欠な巨大な市場である。私たちが企業の懸け橋となり、中国との協力を促進・拡大するよう期待している」と述べた。

 さらに、国際市場への参入を希望するいかなる企業も、中国市場を無視できないとコメント。ドイツの中小企業は中国の政策と市場環境を全面的に理解することを望み、新たな市場チャンスと協力相手を探しているとし、「北京でのフォーラム開催はこの目標の実現に理想的な選択だ」と話した。

 中国はレベルの高い対外開放という積極的なシグナルを発信し続けている。特に、ドイツなどに適用する中国での短期滞在ビザ免除措置の延長、製造業分野の外資参入規制の全面撤廃などは、両国の経済・貿易協力の幅をさらに広げ、ドイツ企業の中国事業展開の信頼感を強めているとも指摘した。

 今後については、ドイツおよび欧州企業が中国との交流を深め、新たな発展チャンスに出会い、多くの産業、分野で互恵・ウィンウィンな協力を促進するよう期待すると述べた。同氏が創設し、院長を務めるワールドマーケット・リーダーズアカデミー(ADWM)は、ドイツ欧州中小企業中国協力センター(DEZ)と深く提携し、より多くのドイツ中小企業が中国に投資して工場を設立し、事業を始めるために便宜をはかるという。「次回のサミットでは、中国での成功事例を共有するドイツ企業が増えるはずだ」と期待を示した。

 ワールド・マーケット・リーダーズ・サミットは「隠れたチャンピオン企業年次総会」とも呼ばれ、2011年に始まった。これまでに14回開催された。今年は1月末から2月初めにかけてドイツで開催され、ドイツと欧州の他の地域の企業約500社の代表が参加した。

© 新華社