被災地・珠洲市内の事業所 4割が休業か廃業

能登半島地震では住宅だけではなく事業者にも大きな被害が出ています。こちらは珠洲商工会議所が4月、会員の事業所533社を対象に行った調査結果です。

回答した235社のうち通常営業しているのは26.4%にとどまり、3割を超える31.9%は休業、12.1%はすでに廃業しています。多くの事業者がインフラの復旧や資金確保など様々な事情を抱え再建のめどが立たない厳しい状況が続いています。

珠洲ビーチホテル総支配人 杉浦稔彦さん
「1階の海側の全面のガラスが割れ吹きっさらし。まだ断水も続いている。配管がずれていて下水のチェックが必要があるのですぐには使えない」

珠洲市蛸島町の珠洲ビーチホテル。元日の地震でロビーのガラスが割れ、上下水道も復旧のめどが立たず、今も休業を余儀なくされています。

珠洲ビーチホテル総支配人 杉浦稔彦さん
「エレベーターは故障して5基あるが3基使えない。当面、一般に営業は考えていない。修理もあるので見極めてからの営業再開、めどは立っていない」

一般の宿泊客の受け入れ再開はめどが立たない状況。現在は全国から復旧支援に来ている自治体の職員や業者に宿泊場所として貸し出しています。

珠洲ビーチホテル総支配人 杉浦稔彦さん
「朝7時半には支援に出て夜に帰ってくる。コワーキングスペースで雑魚寝している」

商工会議所の調査では休業中の事業者のうち「再建を計画している」と回答したのがおよそ46.2%。37.4%は「まだ決めていない」とし、16.5%は「廃業予定」としています。ビーチホテルのように再建を希望していても「時期が未定」という事業者は42.3%と最も多く、先行きが見通せない現状が浮き彫りとなっています。

珠洲ビーチホテル総支配人 杉浦稔彦さん
「珠州市内で唯一のホテルなので何年経っても利用してもらいたい」

珠洲商工会議所では事業所ごとに抱える様々な課題をクリアしていきたいと話します。

珠洲商工会議所 袖良暢 事務局長
「津波エリアでは建てていいのか。外浦の土砂崩れエリアでは道路がいつつながるのか。住宅街でも住民いなければ店再開しても商いできないので1社1社かな」

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