運営する施設で受け入れ…15歳未満の子供達を違法に働かせたか 建設会社社長を逮捕 従業員「社会見学みたいな」

11歳の少年に油圧ショベルを操作させるなど、少年らに違法に労働をさせたとして、愛知県東海市にある建設会社の社長の男らが逮捕された。男の元に子供たちが集まった理由、そこには男の「もう1つの顔」が関係していた。

子供たちはその時、どんな気持ちだったのか。

愛知県警に逮捕された氷室優容疑者(46)は、東海市にある氷室建設という会社の社長だ。

去年4月以降、役員の男とともに、自身の会社で15歳に満たない少年4人にトラックの荷下ろしなどの仕事をさせたといった、労働基準法違反の疑いが持たれている。

このうち1人には、当時11歳でありながら油圧ショベルを操作して廃材を運ぶ仕事までさせていたという。

「児童が働いている」という情報提供から発覚した今回の事件。氷室容疑者には、建設会社の社長以外にもう1つの顔がある。

氷室容疑者は東海市で、引きこもりや不登校などの事情を抱えた子供たちを受け入れる自立支援施設も運営していた。

近くの会社の従業員:
ここ散歩するもんで。小学生同士でにこにこ喋りながら、あっち行ったりこっち行ったりという感じ。トラックの後ろを走っていったり、ついていく感じで

15日、取材に応じた氷室建設の従業員は、子供たちが来ていたことを認めたうえで、次のように話す。

氷室建設の従業員:
女の子もおるし男の子もおった。小学生もおるし中学生も。(Q.違法に働かせていた認識は?)私らは責任者でやっているけど、そんなのないもん。「見学だけさせてやってくれ」「ケガさせないように」とかはあったけど。働かせて危険なことをさせるとか、そういう指示は聞いたことない。社会見学みたいなやつ

自立を目的とした社会科見学のつもりだったのか。

しかし労働基準法では、法定の除外理由のない15歳未満の労働を禁じているほか、ショベルなどの重機を運転する危険な業務は、18歳に満たない年齢では禁止されている。

調べに対し、容疑を認めているという氷室容疑者。いったいなぜ、禁じられた労働を子供たちに課したのか。施設側は取材に「弁護士に任せているのでコメントできない」と回答している。

(東海テレビ)

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