ソフトバンク、“カスハラ”に対する考え方を策定――AIで“穏やかな会話のトーン”に変換する取り組みも

by 竹野 弘祐

ソフトバンクは15日、従業員を守り安心して働くことができる職場環境整備に向けて「カスタマーハラスメントに関する当社の考え方」を作成したと発表した。

同社では、ユーザーからの意見や要望をもとに、ユーザーが安心して利用できるサービスの提供やネットワーク環境の構築に取り組んでいる。一方で、同社または同社の委託先企業の従業員に対し「暴言」や「過剰な要求」がごくわずかではあるが見受けられるという。

今回作成された「カスタマーハラスメントに関する当社の考え方」では、厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に基づき、ユーザーのどういった行為が「カスタマーハラスメント」となるかが定義されている。

たとえば、従業員に対し威迫、脅迫、威嚇行為がなされた場合、侮辱や人格を否定する差別的な言動など暴力/暴言行為のほか、社会通念上過剰なサービス提供の要求や規約範囲を超えた返金や補償の要求、同じ要望や問い合わせの過剰な繰り返しなどをカスタマーハラスメントの主な具体例としている。

対象となる行為があったと同社が判断した際は、対応を断る場合があるとし、悪質と判断した場合は、警察や弁護士に相談などを行った上で適切に対処するという。

AIを活用したソリューションの開発も進める

同社では、相談窓口の整備やショップ/コールセンター向けマニュアルの展開など、カスタマーハラスメントに対する取り組みを実施している。

コールセンターの電話対応では、AIを活用した感情認識・音声加工技術を利用し、ユーザーの通話音声を“穏やかな会話のトーン”に変換して、オペレーターに届けるソリューションの開発を行っている。これにより、オペレーターの心理的安全性を確保しながら、ユーザーとの健全なコミュニケーション実現を目指しているという。

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