愛媛の女子高校生がライフル射撃で“日本一” 「継続」の力で2度目の日本の頂点目指す

「友達が楽しそうだから」。ライフル射撃部に転部してわずか1年4カ月で日本一。愛媛の女子高校生が、高校最後の国大に照準を合わせ、日々ビームピストルを握り続けている。心がけるのは「継続は力なり」。2度目の日本の頂点へ集中力を研ぎ澄ませる。

1年4カ月で“日本一”に

伊予農業高校の物理の教室でテキパキと部活動の準備を進めているのは、愛媛県に2校しかないライフル射撃部のメンバーだ。この中に競技を始めてわずか1年4カ月で日本一になった選手がいる。

3年生の浦部穂乃加選手。浦部選手が打ち込んでいるのはビームピストルだ。競技用のピストルで10メートル先に固定された電子標的に赤外線を発射し、45分の時間内に60発を撃って点数を競う。求められるのは標的を狙う集中力だ。

ビームピストル・浦部穂乃加選手(伊予農高3年):
射場で音楽が流れているんですけど、たまに音楽が流れているかいないか、分からない時があります。周りの音も集中していたら聞こえないし、みんなで一人一人集中してやるところがいい

浦部選手は高校入学当初は文化系の部に入ったものの、仲が良い友人がライフル射撃部で楽しそうに活動している姿を見て転部した。

2023年の国体では思いがけず予選を1位で通過し、緊張しながらも優勝をつかみ日本一になった。さらに、2024年春の選抜では、持ち前の集中力を高めて後半に巻き返し3位に入賞、改めて実力を示した。

「継続」の力で2度目の全国の頂点へ

指導する佐々木知幸監督に、浦部選手の成長のポイントを聞いた。

伊予農業高校 ライフル射撃部・佐々木知幸監督:
全てがうまくいっていた訳ではなくて、悔しい試合や大会も多々あった中で、だんだんと自分のメンタルをコントロールするような力がついてきて、緊張感も楽しんでいるような様子が見え出しました。それが一番成長したところではないか

ライフル射撃はわずかな銃口のブレが勝負を左右する、まさに紙一重の世界。
浦部選手が取り組んでいるのは、構えてから「早く」撃つ練習だ。迷わず引き金を引く動きを何度も何度も繰り返す。このライフル射撃部では外部の経験者も指導に当たる。

伊予農高 部活動指導員・山下尚彦さん:
何秒も真ん中を狙うのはまずいので。すっとおりてきて引く。体力もいりませんし自分の感覚で引くことができます。気持ちを強く持って自分自身に勝つ。そういう技がこれから必要になりますので、身につけてほしいと思っています

競技を始めて1年4カ月で頂点に上り詰めた。しかし浦部選手におごりは微塵もなく、進化を求めて地道な練習を継続し力をつけてきた。「継続は力なり」を心がけているという。継続の原動力は家族や友達からの応援だ。

ビームピストル・浦部穂乃加選手(伊予農高3年):
友達に頑張れって言われたり、よかったやんと褒めてくれたり、それが大会で頑張れる理由だと思います

照準は、集大成となる9月の国民スポーツ大会での2度目の日本一。浦部選手は集中力を研ぎ澄ませ、自分との戦いに強い気持ちで挑む。

(テレビ愛媛)

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