【マリーゴールド】〝猪木ベルト〟が復活 歴史と伝統を継承する2本のベルト写真を独占入手

新設されるマリーゴールド・ワールド王座(下)とマリーゴールド・ユナイテッド・ナショナル王座

女子プロレス界に〝猪木ベルト〟が復活だ! ジュリア(30)、林下詩美(25)が所属する新団体「マリーゴールド」で、4つの王座が新設されることが明らかになった。20日に東京・後楽園ホールで行われる旗揚げ戦を前に、本紙は全日本女子プロレスからの歴史と伝統を継承する「赤いベルト」と「白いベルト」、2本のベルト写真を独占入手。白いベルトには、ロッシー小川代表(67)が敬愛するアントニオ猪木が巻いたことで知られる「UN」の名が刻まれる――。

マリーゴールドにはジュリアら元スターダム勢のほか、元アクトレスガールズの青野未来ら13人が所属。決起集会や神奈川県内での強化合宿を通して結束を固め、旗揚げに向けた準備は急ピッチで進んでいる。

選手の闘争心、モチベーションを高めるアイテムも用意される。本紙の取材に応じた小川代表は、4つのベルトを新設することを明かした。全日本女子プロレスから継承し、「赤いベルト」に位置づけられる団体最高峰王座には「マリーゴールド・ワールド王座」、白いベルトには「マリーゴールド・ユナイテッド・ナショナル(UN)王座」と命名。その他、タッグ王座の「マリーゴールド・ツインスター王座」、55キロ以下の軽量級の選手のみ挑戦できる「マリーゴールド・スーパーフライ級王座」の4本だ。

「団体をつくる上で一番最初に着手したのはベルトをつくることでした。ベルトがないと団体として締まらないし、始まらないから」と説明した。

マリーゴールドには全女の赤いベルトことWWWA世界シングル王座の最後のチャンピオンであり、スターダムの赤いベルト、ワールド王座の初代王者でもある高橋奈七永が在籍。さらにスターダム時代にワールド王座の戴冠歴があるジュリアと詩美、白いベルトと呼ばれるワンダー王座を巻いたことがあるMIRAIが揃っている。

小川代表は「昔から女子プロレスのベルトと言えば、赤と白のイメージがある。昭和の女子プロレスの歴史を受け継いでいく。来月にはベルト戦に動きが見えてくるんじゃないですかね」と今後の展望を明かした。

注目は「UN」の名が女子で復活することだ。男子でUNヘビー級王座と言えば、猪木やジャンボ鶴田、坂口征二、天龍源一郎、スタン・ハンセンら歴代の名レスラーたちが巻いた伝統のベルトで、昭和のプロレス史の中心にあった。小川代表も幼少期にUN王座戦を見ていただけに思い入れは深い。

「53年前にジョン・トロスから猪木さんが取った試合は子供のころに見ていて衝撃的でしたね。今でもよく覚えている。そんな試合を選手たちには期待します。インターナショナル(王座)が手に入らなかったアントニオ猪木の思いがUNに結びついた。これはワールドに手が届かなかった選手が開花するベルトになるかもしれない。いろいろなことできるんじゃないですか」

海外で制作中のベルトは間に合えば、旗揚げ戦でお披露目される予定だ。小川代表は「これらのベルトは、これから新しい歴史をつくっていくっていうこととプラスして、歴史と伝統を受け継いでいく証し。まだ見ぬ強豪たちがベルトを巡って戦っていくことになる」と期待をかける。

〝昭和の復活〟を掲げる新団体に、ますます注目が集まる。

【UNヘビーは猪木が日本人1号】UNヘビー級王座を日本人で初めて巻いたのが猪木だ。1971年3月26日(日本時間27日)に米ロサンゼルスでジョン・トロスを破り、第6代王者となった。当時は現在のようにベルトは乱立しておらず、かつ海外のベルトは権威あるものとされた。

猪木は〝鉄の爪〟フリッツ・フォン・エリックや銀髪鬼フレッド・ブラッシー相手に防衛を続けるが、71年の日本プロレス追放とともに王座も剥奪された。その後は坂口征二や高千穂明久(ザ・グレート・カブキ)らが王者となるも、日本プロレス崩壊後、全日本プロレスの管理王座に。76年8月にジャンボ鶴田が王座を奪取すると、84年には天龍源一郎も戴冠を果たした。

89年には鶴田がPWFヘビー級、インターナショナルヘビー級と統一し、現在は安齊勇馬が保持する3冠ヘビー級王座に一本化された。なお、天龍プロジェクトでは昨年、UNタッグ王座を新設。PWFから許可を受け、天龍プロが管理する認定タイトルとして王座戦が行われている。

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