パリ五輪で初の金メダル期待の自転車トラック競技!オリンピック前に知っておきたい種目別に見どころを徹底解説!

パリ五輪で金メダルが期待される自転車トラック競技!種目別に見どころを徹底解説!

第1回の1896年アテネ大会から正式種目として実施されており、途切れることなく続く数少ない競技の一つである。「トラック」「ロード」「BMX」「マウンテンバイク」の4つの種目に分類される。さらに、それぞれにいくつかの種目に分類されるが、今回は「トラック」に焦点を当てて見どころを見ていきたい。

トラックは、自転車専用のコース(トラック)にて着順やタイムを競う競技で、パリ2024大会では男女それぞれ6種目が行われる。個人種目は2人ずつで争う「スプリント」、7人までの選手が先着を競う日本発祥の「ケイリン」、1日4種目を行いその合計ポイントで争う「オムニアム」がある。そして団体種目は、3人1組でそれぞれの選手が1周回ずつ先頭を引いた後にチームから離れ、最後の1人がゴールしたときのタイムを競う「チームスプリント」、4人1組で16周走る「チームパシュート」、2人1組で男子50km、女子30kmの距離を走る「マディソン」がある。

SPRINT(スプリント)/トラック3周、1対1の勝負

【見どころポイント】「3周」をどのように使うのか?

予選は「ハロン」と呼ばれる助走つきの200mタイムトライアル。予選結果でトーナメント組み分けが決まる。トーナメントでは1対1で対戦。トラック3周を先着した選手が勝者となる。勝ち上がると 3回戦方式となり、先に 2勝した選手が勝ち。1日に何回も出走する過酷な種目でもある。

選手がフルパワーで走れるのは 1周程度。勝つためには、 3周の中で「いつ、どこから、どのようにパワーを使うか」がポイント。駆け引きによっては、自転車に乗ったままトラック上に停止することも! 相手の隙をついてスパートし、最高時速80kmにもなる高速バトルが魅力の種目。

KEIRIN(ケイリン)/日本発祥のオリンピック種目

トラック6周で競う、最大7人のレース。スタートから3周までは先導するペーサーが選手たちの風よけになり、残り3周まで集団のスピードをあげる。ペーサーが退避すると、残り3周のスプリント勝負! 脚力はもちろんだが、選手たちの駆け引きを制し、 1番にフィニッシュラインを通過した選手が勝者となる。

【見どころポイント】スリリングさNo1!

圧倒的なパワーで集団の先頭を走り逃げ切る選手もいれば、集団の中で好位置をとり勝負どころでダッシュし勝利する選手もいる。勝負は最後までわからない。スリリングな戦いを楽しもう!

OMNIUM(オムニアム)/4種目の総合点を競う

1日に4種目(スクラッチ→テンポレース→エリミネーション→ポイントレース)を行い、総合点で順位が決まるオムニアム。テンポレース以外は単一の競技種目として実施している。

【見どころポイント】一芸に秀でているだけでは勝てない

オムニアムの語源は「全部」を意味するラテン語。その名にふさわしく、選手は持久力・スプリント力・戦術など、トラック中距離種目の「総合力」が求められる。刻一刻と変わる暫定順位、ライバルとのポイント差、勝つための駆け引きなど、観戦するときは会場の電光掲示板を見て各種情報をチェックしよう。

TEAM SPRINT(チームスプリント)/短距離種目唯一のチーム戦

3人でチームを組み、トラック3周のタイムを競う。3人横一列で同時にスタートし、1周通過ごとに先頭を走る1人が離脱。予選のタイムトライアルを上位で通過したチームが勝ち上がり戦に進出。勝ち上がり戦(通常は1回戦→メダル決定戦)は対戦形式となり、先着したチームが勝者となる。

【見どころポイント】1周ごとに主役が変わる

スタートダッシュが得意な第1走者、最高速度まで引き上げる第2走者、スピードを維持する持久力のある第3走者と、役割が分かれる。近年は第1走者にBMXレーシング出身の選手を起用するなど、選手の特性を活かしたチーム編成となる。1周ごとに主役が変わるチームプレイに注目!

TEAM PURSUIT(チームパシュート)/先頭交代しながら4人で進む

4人1組のチームで4km走り、3番目の選手がゴールしたタイムを競う。空気抵抗を減らすため一直線の隊列で先頭交代しながら進む。タイムトライアルの予選後は、2チームごとに先着を競う対戦方式となる。対戦方式では“追い抜き"(他チームを追い越す)しても勝者となるため「団体追い抜き」とも呼ばれる。

【見どころポイント】美しいチームは強い

勝負の鍵は「4人で作る 1本のライン」。空気抵抗を避けるために隊列を一直線に揃える必要があり、それは「同じ1本の床板に4人が乗っている」と言われるほど。走行する選手同士のタイヤ間距離は10cm、崩れることのない一糸乱れぬ隊列こそが強さの証。美しいチームは強いのだ。

TEAM SPRINT(チームスプリント)/短距離種目唯一のチーム戦

3人でチームを組み、トラック3周のタイムを競う。3人横一列で同時にスタートし、1周通過ごとに先頭を走る1人が離脱。予選のタイムトライアルを上位で通過したチームが勝ち上がり戦に進出。勝ち上がり戦(通常は1回戦→メダル決定戦)は対戦形式となり、先着したチームが勝者となる。

【見どころポイント】1周ごとに主役が変わる

スタートダッシュが得意な第1走者、最高速度まで引き上げる第2走者、スピードを維持する持久力のある第3走者と、役割が分かれる。近年は第1走者にBMXレーシング出身の選手を起用するなど、選手の特性を活かしたチーム編成となる。1周ごとに主役が変わるチームプレイに注目!

MADISON(マディソン)/2人の力で10周ごとにポイントグット

10周ごとに1位~4位に対して5点、3点、2点、1点のポイントが与えられる。ラップ(メイン集団を1周追い抜き)でもポイントゲット。合計獲得ポイントで勝敗が決まる。特徴は「2人1組で行われる種目」ということ。チームによって選手の特性・組み合わせも様々だ。

【見どころポイント】「交代」のタイミングが鍵

繋いだ手を支点に弾みをつけてペアのスピードを上げる「ハンドスリング」で走者交代し、レースを進めていく。効果的にポイント周回に入るためには交代タイミングも重要。交代テクニック、ポイント周回前の位置取り、スプリント勝負に注目。先頭が分からなくなったら審判の動き(先頭を指さす)をチェック!

紹介した6種目、それぞれの見どころがあり、パリ五輪でも熱戦が期待される。ここまで日本はオリンピック金メダルを獲得した過去はなく、史上初の偉業・オリンピック金メダルが期待されている。

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